ハンドカットログハウス建築日記

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四季の変化と住宅設備について

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画像は、とあるログハウスのアーチカットとキッチン部分です。

アーチカットの装飾がかなり手が込んだものになっていますね。アーチの形といい、まわりの彫り物といい、個性的に仕上がっています。

キッチンのカウンター下はあえて端材を積んだようです。モザイク柄みたいで面白いですね。

ここにお住まいの方は、おそらくこのアーチカットが大のお気に入りでしょう。これを見上げながらこだわりのカウンターでコーヒーを飲んでいるのが目に浮かびます。

 

 

では本題へ。

今回は四季の変化について、さらにそれに対する最近の住宅事情についてです。

 

日本には四季があります。

私は登山やスキーが好きなので、正にその恩恵に預かっています。ですが、今回言いたいのは四季の変化に対応するための住宅、設備、日常生活についてです。

四季の移ろいに伴い、いろいろな環境面での変化があります。従って、それらの変化に対応するためのいろいろな住宅設備があります。

そんな中皆さんは、高気密・高断熱、24時間換気が義務付けられた最近の住宅事情をどう思われているでしょうか?

私見としては、快適なのはいいですが、これでは四季の変化が体感できず、体の機能が衰えるのが心配です。毎日20℃前後の安定した気温の中、魔法瓶の中にいるような環境では、基礎代謝が減り、夏に汗をかいて体温を下げることもなくなり、冬に筋肉を震わせて体温を上げることもなく、毎日が何の刺激もなく過ぎていきます。

それに加えて外部環境はどんどん過酷になっているように思えます。温暖化や異常気象などの影響なのか、山間部も以前より気温が高くなっていますし、いずれ都市部のように夏はエアコンがないと眠れない日が来るかもしれません。今冬の記録的な暖冬小雪も、このまま続くのでしょうか?台風、ゲリラ豪雨なども増えていますね。

外部環境の変化は厳しくなる一方、室内環境は一定に保たれたまま。このギャップの大きさが最近の健康問題に繋がっている気がします。夏の熱中症や冬の循環器系発作は、まさにこれらが原因の一つではないかと思います。

ですから、魔法瓶の中でエアコンを使って管理し、そのエアコンの省エネを追求するのではなく、まずはエアコンを使わずに済ませることを追求すべきだと考えます。

私の計画ではいちおうエアコンは設置します。二階に後付けの物を、一階には天井カセット型を。今後の温暖化を考えると、夜に寝苦しいのはつらいので。ただし、今のところ夜はエアコンなし(今の借家はエアコンがありません)で寝られますし、夏の昼間の暑い時のみしか使わない予定です。暖房はエアコンに頼らず薪ストーブと灯油のダルマストーブです。従って、ズバ暖などの暖房機能重視ではないモデルを選びました。おそらく赤ちゃんがいなければエアコン自体付けなかったでしょう。

 

自分がアウトドア好きということを差し引いても、なるべく外で過ごすことは健康上のメリットが大きいはずです。夏は外で汗をかいて過ごし、冬は雪の恩恵に預かり外で遊ぶ。それは体の機能をなるべく使うことです。

従って私のログハウスプランは、なるべく外で過ごすよう計画しています。

間取り決めのブログにも書きましたが、一番はリビングを作らないこと。その代わりとなるウッドデッキを広くし、キッチン・ダイニングに隣接させたこと。その開口部は掃き出し窓で、すぐ室内側は土間とし、室内とウッドデッキの境目をなるべく緩やかに繋げています。

また、家の南側は畑があります。これも春から秋にかけて外で過ごすことに繋がります。畑の経験は全くありませんが、やりながら勉強していこうと思います。自分達が食べるものしか作りませんから、出来が悪くてもお構い無しです。

一番上の子が自転車に乗れるようになった事も嬉しいですね。今は、サイクリングに登山、スノーシュークロスカントリースキーなどで、道具を変えながら季節を問わず家族みんなで散歩に出かけられたらと思っています。もちろんランチ持参で。

また、過去のブログにも書きましたが、庭で一週間くらいテント生活するのもいいと思います。アウトドア好きな人ならやっている人もいると思いますが、何よりも災害対策の一環、訓練です。何らかの災害で家の中で生活出来なくなった時、程度にもよりますが、すぐ避難所へというよりは、自分達で自立して過ごせた方がいいです。そのため、普段から一週間くらいはテント生活できるように慣れておくといいよ、と教えてもらった事があります。これは、東日本大震災の復旧活動に参加された、高齢者施設開設・管理者の方のアドバイスです。

 

話は変わりますがログハウスの場合、気密性はどうなっているのでしょうか?

ログハウスはもともと気密性は低いです。セトリングや、木材の呼吸で直径が大きくなったり小さくなったりすることなどもあり、壁が絶えず動いています。よって一時的に隙間が出来ることもあります。

また、どうしても防ぐ事が出来ないのはセトリングスペースです。これは、玄関や窓などの上にある隙間です。開口部の上を、セトリングしてきても建具に当たらないように余分に開けておくものです。セトリングスペースは断熱材を入れて木の板を被せて、いちおう目立たなくしていますが、機密性は低いです。ただし風が通る程ではありません。セトリングスペースは少し余裕を持たせるので無くなることはありませんが、セトリングが進めば狭くなります。

余談ですが、実はこのセトリングスペースがあることで、ログハウスは薪ストーブととても相性がいいと考えます。薪ストーブは煙突から煙がスムースに上に抜ける事が重要ですが、密室から気体が抜けるということは、その分どこかから気体が入ってこないといけません。高気密住宅は換気扇から入ってくるのでしょうが、ログハウスの場合は開口部、隙間、セトリングスペースから入ってきます。ログハウスの施工時は開口部の気密性には注意しますし、隙間もなるべく無いようにしますが、セトリングスペースだけはどうしようもありません。しかしここからゆるやかに空気が入ってくることが、薪ストーブの煙突の排気をスムースにする役目が有ると思います。これがないと、室内外の温度差、気圧差によっては煙突から外気が逆流します。

私も一度、薪ストーブ体験で焚き付けをした時に逆流してきてパニックになりました。部屋中モクモク、目も痛いし咳込むし大変でした。これはログハウスではありませんでしたが・・・

 

最後にまとめとして言いたいのは、贅沢し過ぎはいけない、ということでしょうか。体が楽な方向だけではなく、ある程度鍛えながら生活したいものです。健康のためにも、長生きのためにも、そして災害時の備えとしても。

また、自然の景観が美しいところは自然環境が厳しいです。いいところだけ、ということはあり得ないということですね。その厳しい自然環境の中で日常生活を送ってこそ、少しだけご褒美に素晴らしい景観を味わう機会を与えてくれます。

ログハウスを建てたいと思う方々ならば、分かっていただけるのではないでしょうか。