ハンドカットログハウス建築日記

HAKUGINは静かに暮らしたい

ハンドカットログハウス建築&日記

間取り決めについて②

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画像は以前に泊まった貸しコテージ。

たくさんのコテージがありましたが、全てマシンカットログハウスです。

全てカナダ産のログ材を使っていて、建築棟数が多いため、建築の際にはカナダからログビルダーの方々が駆けつけたとか。

でも内部は↓
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何かおかしいと思いませんか?

 

ログハウスは木材を横積みにして壁を造るものです。当然内部も、木材は横向きになるものですが、画像は木材が縦向きになっています。

おそらく内部にはログ材の上から板材を貼っているのでしょう。寒い地域ではこうすることによって、より暖かい室内になりますし、ログ材の隙間が開いても室内には影響が出ません。

しかし、これではせっかくのカナダ産ログが台無しですね。

内部の板材もカナダ産なのでしょうか?

いや、板材がどこ産かという事よりも、内部を板貼り仕上げにする事自体も台無しです。

ログハウスはマシンカットでもログ材の厚みがありますので、隙間が無ければ充分暖かいです。

隙間が出来るかどうかは木材の質と加工精度によるでしょう。

そして一番気になるのは、ログ材と、上から貼った板材の間の状態。もし水が入っていれば蒸発しづらく、腐れを起こす原因になります。そして、それが見えることはないため、気付く事ができません。

ログハウスはログ材が内側も外側もそのまま露出している事が良いのです。そのことによって外部からの影響も受けますが、もし外部からの影響で腐食したり、カビたり、シロアリが来たりしても、ログ材が露出していればこそ直接目視で確認出来るのです。

私が建築依頼したC社の方もそのように言っていました。

一番いい例が、浴室です。

浴室は、住宅内部の中でも一番湿度が高くなる場所です。

ですがC社が施工したログハウスのほとんどが浴室もログ壁そのままです。↓

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これも同じ理由からです。

何かあればすぐに目視で確認できる。

それを守りに入りユニットバスにすると、水漏れの心配は少ないかもしれませんが、ユニットバスの外側とログ壁の間がどうなっているか確認できません。

私が毎日読んでいる埼玉県N建設のブログでは、ログハウスといえどもユニットバスしか使いません、と公言されています。

これは考え方次第ですので、どちらが正解とも言えません。

しかし私は、ログ壁そのままの浴室のほうが好きです。

 

どちらにするかは、あなた次第です。

 

 

 

では本題へ。

間取り決めの続きになります。

 

前回のブログでは、間取り決めの際の原則と、決める順番についてお伝えしました。

では今回は私のプランについて、どのような理由から、何を採用したのかを書いていきます。

 

おさらいですが原則と決める順番は、①周りの環境にどう合わせるか・利用するか、②ログで囲まれた区画を何個作るか、③各区画の大きさ、そして④隣り合った区画をどう繋げるか、です。

 

①については、私の場合、景観・山の景色が綺麗に見えることが第一優先でしたので、敷地内のどこから、どの方向の景色を見たいのかを決めました。周りに家もあるので、敷地の一番奥から、北西方向の山を見る事を、計画の中心に据えました。

その景色がこちら。

夏↓

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冬↓
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また、周りの家で少し景観が見えづらくなるため、同じ位置の二階からも山が見えるよう計画しました。そこにはフリースペースと、屋根に小さいピークドーマーを採用しました。屋根にドーマーは原則付けないと決めていたのですが、景観がこの家の一番のこだわり。その為にドーマーを付けることには、いっさい迷いはありませんでした。またこのフリースペースは半分リビングとしての機能も持たせています。当面の間は子どもたちの遊び場と化すでしょう・・・

日光の当たり具合については、ログ壁になるべく当たらないよう屋根の高さを抑えて、七寸勾配としました。屋根の高さを抑えた方が、妻壁側のログ壁に陽が当たりにくくなります。当然、雨や雪にも当たりにくくなります。七寸勾配とは横に10移動したら下に7下がる勾配です。(ログハウスでは普通、横に10移動したら下に10下がる斜め45°勾配ですので、それよりは屋根角度が浅いです。平屋に近くなります。)

また、屋根の軒をなるべく出してもらいました。棟木は東西方向に渡し、屋根は南方向・北方向にそれぞれ下がってくるようにしました。また南からの強い日差しを遮るよう、南側はアウトリガーを採用してログ壁よりも1m外側まで屋根の支えが出るようにしています。

アウトリガーの例はこちら↓

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画像左寄りの屋根の中の三角形部分が妻壁、屋根の一番高い所に水平に横たわっているのが棟木です。屋根は棟木から画像右側に向けて下がっていきます。屋根の下側先端近く、ログ壁よりも右側1mの所に屋根の支えとなる丸太が一本見えます。これがアウトリガーです。私の家は正面の妻壁を西側、右のアウトリガーがある方が南側を向くようレイアウトした、ということになります。

北側はアウトリガーではありませんが、屋根の軒の長さを1mから1.5mにしてもらいました。もちろん雨や雪が当たりにくくするためです。

しかしこれは冬の寒さ対策でもあります。風配図により、年間を通して北風が吹いている土地だという事が分かったので、冬の北風から来る寒さがつらそうです。そこで北側の屋根の軒を長くした分だけ、屋根が下まで覆ってくれる事になります。(七寸勾配なので、屋根を0.5m長くすれば屋根の先端の高さは約32cm下がります。)

また西日が当たるのも、ログの日焼け・夏の暑さを軽減するためなるべく避けたいので、家の西側に車庫を造り、ログハウスと一つの屋根で覆う事にしました。取り付き道路が土地の西側なので、その道路からの車のアクセスもこれでスムーズです。

また、周りの家は北、西、南には建っていますが、東には建っていません。そこで、キッチン・ダイニングを東側にして、メインのウッドデッキを東側に大きく出すことにしました。ウッドデッキの幅はログハウスの幅と同じ、奥行きは3mです。ちなみにC社の場合、ウッドデッキは奥行き3m確保するのが標準です。かなり広めのウッドデッキです。

②については、私の場合はログ区画2個、日の字型です。冷暖房効率UPと動線を短くするため、なるべく狭い家を目指していたので、これで充分です。

この二区画を東西に並ぶように配置します。これは棟木を東西方向に渡す為です。

また、プランニングの段階で各区画に何を当てはめるかおおまかに決めておきますが、この場合二区画しかないので、必要なものを挙げてどちらに入れ込むかを考えるだけです。

リビングは基本的に不要と思っているので、一区画にはキッチン、ダイニング、薪ストーブ、階段を配置しました。もう一区画にはポーチ、玄関、風除室、トイレ、風呂、脱衣場、洗面台、収納兼パントリー、小さなロッカー収納を配置しました。寝室、子ども部屋、大きな収納スペースは二階に廻しました。

キッチン、ダイニングは我が家の言わばメイン。普通の家ならばリビングを配置する一等地に置きたいものです。これを東の区画にするのか、西の区画にするのか。正直、かなり迷いました。平面図も何回も何回も書いて、比べたり、メリット・デメリットを洗い出したりしました。結局は東側に決めましたが、土地の中でも東側からの景色が良かったのが一番の決めてでした。また、取り付き道路とは反対側なので、プライバシーが確保しやすいこともありました。周りの家からの視線も気にならない位置です。また、東側に広いウッドデッキを隣接するので、これが我が家の事実上のリビングです。しかし、これはあくまでも家の外なので、家の中との繋がりを持たせてウッドデッキに出やすくするため、東側のログ壁の開口部は掃き出し窓としました。天気が悪くてウッドデッキに出られない時は、二階のフリースペースがリビングの代わりです。

③については、私の場合は一区画6m×5mです。二区画ともこの大きさです。これは構造計算を省くためです。ただし構造計算が不要となる最大面積でもあります。あまり大きくしても強度的に不安ですが、空間になるべく余裕を持たせたいため、費用面も考慮してこうなりました。

ちなみに②③についてはかなり早い段階から決まっていたので、C社の建築実例も同じ条件の物をメインに見学させてもらっていました。この大きさのログハウスで実際に住んでいる人たちがいる、その人たちから直接話が聞ける、ということも心強かったです。

④については、日の字型である以上、開口部は原則一ヶ所しか取れません。日の字の真ん中の横線部分を開口部とするしか選択肢が無いです。

ただし、過去のブログでも触れたとおり、なるべく開口部を増やしたい、という思いがあります。従って、幅6mの壁に左右2つの開口部を開けることにしました。

一つはメインの開口部で大きめに幅1mとしました。画像はこちら↓

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開口部下部は幅1mですが、視覚的な開放感を増すため、開口部上部は画像左側だけが大きく削られ幅1.5mという、変則的なアーチカットです。

もう一つは小さめに幅50cm↓

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これは、あえて下部の丸太を残しました。バリアフリーにはなっていません。これはアーチカットや開口部というよりは"穴"っぽくしてもらいました。幅が狭く下の丸太を足を上げて通らなければならないため、大人の感覚だと小さい穴をくぐり抜ける感じです。

実用性は度外視、完全に遊び心のみで決めました。

また開口部としては、これらとは別に玄関部分にも一つ設けました。これは間取り決めについて その①のブログに書いたとおりです。その画像がこちら↓

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加工途中なので、まだ一番下の丸太が残ってますが、この奥にポーチ、玄関扉と続くことになります。ここはあえて切り揃えず、デコボコにしました。このポーチ入り口の開口部や、ログ材の端(ログエンド)は、あえて切り揃えず無造作に木を積んだ感じにしてもらいました。

ログエンドはこちら↓

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過去のログハウスの原点となる丸太小屋を意識してのことです。また、家の内部と外部で雰囲気を変える事も意識しています。外部は丸太小屋、荒くて、乱雑で、切った木をそのまま積みました、という感じ。内部は快適でモダン、洗練された、物の少ない、ホテルのような感じ。内部はログハウスを選ぶ時点でホテルのようにはならないですが、インテリア、飾りや小物などでも雰囲気が変わってきますので、暮らしながら徐々に揃えていく予定です。

 

 

 

え?

 

"まだログハウス建築前なのに、なぜこれらの画像があるのか"ですって?

 

いい質問ですね。

それは後日のブログに書いていきますね。

 

では、間取り決めについてのブログは各区画内のさらに細かい配置について続けていきます。

後のブログに続きます。