ハンドカットログハウス建築日記

HAKUGINは静かに暮らしたい

ハンドカットログハウス建築&日記

無塗装について補足、実例紹介

前回のブログで無塗装とした経緯を書きましたが、もう少し補足をしたいと思います。

 

ログハウスはメンテナンスが大変だ、とよく言われます。

一番はやはり外壁(ログ材や妻壁部分)の塗装ではないでしょうか?

それを無塗装にすることは、メンテナンスがとても楽になります。

 

無塗装に注目したきっかけは、やはり"エコロジカル・ログビルディング"という本です。

適した土地を選び、基礎を高くし、屋根を大きくかければ、ほぼメンテナンスフリーにできる、と。

そしてログハウスの原点とも言える、簡素な丸太小屋が建てられていた頃は、化学合成塗料などなかったはずです。

その頃は、丸太を守るために必要に応じて上記のような対策をしていたのだと思います。

 

それがいつの間にか、ログ材の耐久性よりも人間の好みを重視するようになった。具体的には明るい広いリビングが欲しい。

そうすると、妻壁を南側に向けて日光を取り入れます。↓

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この家の一階はよく陽が入り、明るくて良いでしょう。誰でもマイホームには取り入れたいと思うのは分かります。

しかし、ログ材にも陽が当たっているので、直ぐに日焼けしてガサガサになってきます。

木は樹皮があるので、日光に当たっても平気なのです。樹皮を取り除いてログ材にするので、弱い所がむき出しなのです。

従って、このログハウスは定期的なログ材の塗装が欠かせません。

 

私が無塗装にしたいのには、3つ理由があります。

一つ目は、エコロジカル・ログビルディングに書いてあるとおりにすれば、無塗装で済むからです。ログ壁になるべく陽が当たらないようプランニングする。明るいリビングを捨てる訳ではありません。明かりが取り込めればいいのです。その明かりが直射日光である必要はありません。よって、窓の位置、大きさのプランニングに注意します。また、ウッドデッキを隣接して外に出られるようにすれば、外に行けばいいのです。

二つ目は、無塗装とすることでメンテナンスの時間と費用が節約できます。初期投資は必要ですが、メンテナンスが大変だからと後から変更する方が費用がかかります。

三つ目は、単純にログをそのままにしておきたいだけです。自然素材をふんだんに使って建てるログハウス。最後に化学合成塗料で覆ってしまうのはどうなのでしょうか?人間でも肌にずっと日焼け止めを塗ったままにはしないですよね?木の呼吸も妨げられるので、調湿機能も低下し、香りも少なくなります。また、経年変化していくログ材を見る事も楽しみの一つです。ログ材を塗装しないことで、一番自然な状態で経年変化を見る事ができます。一緒に歳を重ねていける家です。

ちなみにログハウスの塗料としては、なるべく自然な状態でとの希望から、最初は無色透明の水性塗料がよく使われるようです。日焼けした後はいろいろ、油膜の塗料で覆ってしまうこともあります。↓

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高温多湿の日本と、低温少湿のカナダでは気候の違いがあります。

従って、日本では雨、雪、梅雨、台風など水に対する備えが必要です。カナダと同じ仕様ではいけません。エコロジカル・ログビルディングに書いてある事がそのまま当てはまる訳ではないでしょう。

ある意味、実験です。一生に一度のマイホームと思うと、正直いちかばちかという気分になってきます。でも、軽井沢の実例が背中を押してくれました。

その後、さらに心強い情報が得られました。私が建築依頼したC社の知り合いの方が、ドイツでハンドカットのフルログを建てているそうですが、全ての建築が無塗装だそうです。ドイツでは塗料を嫌う方が多く、無塗装が普通になっている、とのこと。

その画像を紹介します。↓

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皆さんも、塗装について一度よく考えてみてはいかがでしょうか?

ちなみにログハウスでなくても外壁塗装は定期的に必要です。よく外壁塗装の広告を見ますが、一回100万円くらいしますよね?

メンテナンスフリーの家、現実的な選択肢かもしれません。