ハンドカットログハウス建築日記

HAKUGINは静かに暮らしたい

ハンドカットログハウス建築&日記

間取り決めについて③

f:id:HAKUGIN:20200228080143j:image

画像はドライブ中に気になった建物。柱には、あえて曲がった木を使っています。

たまたま同じ職場の人が近くに住んでおりその人に聞いてみると、とある施設として使われているそうで、自分も気になったから中を見せてもらった事があるよ、とのこと。その時撮ったという、建物の中の画像も見せてもらいました。↓
f:id:HAKUGIN:20200228080152j:image

中はさらに面白い空間になっていますね。その後いろいろな所でこの建物の情報が入ってきて、どうやら過去にログビルダーだった人が建てた、とのこと。ポストアンドビームを建てているうちに、真っ直ぐな木だけを使う事に疑問を感じたのでしょうか?

ポストアンドビームでも、木本来の姿に近い、生命力を感じる建物です。曲がり、枝、節、穴なども気にしない。でも本来は木ってこういう物ですよね?それぞれに個性があって、それを活かして木材にする。そういう発想だといろんな木が木材価値を持ち、有効利用出来るのではないでしょうか?

真っ直ぐな太さ均一の丸太は、確かに建築の面では有利です。でもどこか人工的な印象になります。

真っ直ぐな太さ均一のキュウリしか売れないので、生産者はそればかりを作るようになる。需要に対して供給側が応えた、ある意味自然な流れです。でも曲がったキュウリはどうするの?

おそらく同じ事が建築、林業でも起こっていて、相当な量の木材が出回らないまま処分されているでしょう。それが建築に使えれば、値段も安く、味のある建物ができるのではないでしょうか?

それを許容するのかどうかは施主、建築家、大工さんの考え方しだい。

 

思いっきり曲がりくねった、安価な木材で作るポストアンドビーム。

いかがでしょうか?

 

 

 

では本題へ。

間取り決めの続きになります。

 

前回までのブログで、室内に必要なものを挙げて、どのログ区画にあてはめるかは決まりました。

今回は、一区画内の中でも何をどこに配置するか、細かいレイアウトについて書いていきます。

少し前回の補足も兼ねて。

 

まずは前回までに決まったことを分かりやすくイメージしてもらうため、次の平面図の画像をご覧下さい。↓

f:id:HAKUGIN:20200301060534j:image

出来上がった平面図の室内部分だけ隠してみました。少々落書きがありますが、ご容赦下さい。

上が北側になります。

太めの枠がログ壁です。それが切れている所は開口部です。左端の四つの丸は、丸太の柱になります。

ログ壁で囲まれた区画は2つとも縦6m×横5mです。

 

画像でログハウス右側(実際には東側になる)には、奥行き3mのウッドデッキがあります。このウッドデッキ全てに屋根がかかりますので、風が無ければウッドデッキには雨がかからない事になります。このウッドデッキに出やすいよう、隣接した開口部は掃き出し窓になります。

ウッドデッキは明るく開放的な方がいいので、東側よりは南側か西側がいいのではないか?とも思いましたが、明るさとメンテナンスとプライベート確保の面から東側がベターかと思います。その理由の一つは、私の明るさへの考え方から来ています。明るいということは、光源が必要です。光源としては、おおむね太陽か照明器具かになりますが、なるべく太陽からの日光を取り込んだ方がよいでしょう。ただし、直射日光がずっと当たり続けるのはつらいものです。明るさとは陽の反射光を効率よく開口部から取り込むよう計画すべきであって、直射日光からである必要はありません。レストランに行って席を選ぶ時、窓際の明るい所をまず選ぶと思いますが、次第に陽が差してきてつらく感じた事はありませんか?滞在時間が長い場合、直射日光が当たる・もしくはその可能性がある所より、それがない別の窓際のほうが良いです。それと同じ事だと思います。せっかく造るのだから長くそこで過ごしたいウッドデッキ。直射日光が当たらず、でも明るく開放的なのがいいですよね。幸い、ウッドデッキ自体には壁が無いので、家の壁に隣接した方向を除く三方向から光が入り込みます。また、直射日光が当たらないことで、ログ壁やウッドデッキも長持ちします。さらに東側には民家がなく、プライベート確保の上でも一番安心です。

また、画像でログ区画の下側(実際の南側)も、アウトリガーを採用した結果屋根がかかるので、奥行き2mのウッドデッキを付けました。ウッドデッキだけ見ると、家の東側全てと南側全てをL字型に覆う形になります。

これらのウッドデッキは一般住宅ならかなり広めになるかと思いますが、ログハウスの場合はログ材自体に太さがあるのに加えて、ノッチ(ログ材の交差部)からログ材が外側に出ているので、その分余裕を持って広めにしています。おそらく南側は、2mあっても通路くらいの有効面積しかないでしょう。

また、家の中にリビングは無いので、ウッドデッキをなるべくリビングとして使えるようにと、広めにしている面もあります。天気が悪い日や冬の寒い時期は、二階のフリースペースが第二のリビングです。

 

画像でログハウス左側(実際の西側)は車庫になります。ログ壁と四つの丸太柱で挟まれた空間がそれです。横幅(ログ壁から丸太柱まで)は4mあります。しかし、木材の芯と芯の間が4mなので、実際には有効幅は3m50cmくらいでしょう。車の横幅は大きな車でも2mくらいですので、150cmはゆとりがあります。車を真ん中に停めれば、左右75cmくらいのスペースがあることになります。ここも全て屋根で覆われた空間になります。この車庫に画像下側(南側)から車が入ってきます。取り付き道路が西側なので、この土地へは画像左下(南西方向)から入ってきます。従って車庫はこの位置・この向きが一番アクセスがいいです。また、画像左側(西側)は民家と取り付き道路があるので、家の前に車庫を挟む事でプライベート確保にもなります。何より西日を避けられるのも、ログハウスにとって重要です。車庫としては縦幅が大きいので、外部収納(物置)を造りました。画像左上の区画がそれです。これが4m×2mあるので結構重宝しそうです。

 

ではログ区画内部に話を移します。

 

この家は、山の景色を楽しむことを主目的にしています。周りの民家などの影響もあって、この土地内でも見え方が変わってくるので、画像右側(東側)に行く方が民家の影響が少なくなります。そして、そこから見える北西方向の山の景色が綺麗です。

そこで、滞在時間が長いであろうキッチン・ダイニングを、画像右側(東側)のログ区画に配置しました。画像でその区画上(北側)には出窓があります。これも主目的のためです。

キッチン・ダイニングの細かいレイアウトは現時点で確定していません。まだこれから詰めていきます。それもいずれブログに書く日が来るでしょう。

 

ただし、この右側区画に薪ストーブと階段も配置するので、それらは配置を決めてあります。

薪ストーブは家の北側に置きたい。なぜなら、北側の方が寒いから。家の寒い所から暖めていく、ということです。また、キッチンと同じ区画内に置く事で薪ストーブ料理もやりやすいですし、焔を見ながら過ごす事も楽しみです。従って、薪ストーブは画像右上(北東)に寄せる事にしました。東にも寄せたのは、薪を運ぶ時の動線を短縮するためです。薪は家の北側に並べて、ウッドデッキ経由、東側の掃き出し窓から室内に運び込みます。その際、薪のクズなどで床が汚れるのを気にしなくてよいように、掃き出し窓から薪ストーブ周りまでは土間としました。また、薪ストーブの周りだけは椅子などを置かなくても座れるように、土間とフローリング床の間に段差を一段設けました。

熱効率を考えるとストーブは隅に寄せない方が良いのですが、スペースが狭いので無理でした。ストーブを隅に寄せると90°しか熱が放散されませんが、これを例えば北面の壁に寄せると180°放熱されます。過去にブログに書いた、家のプラン案としてあったけれど、今となっては使われなかった数々の引き出し達。その中には、薪ストーブの熱効率だけを考えたプランもありました。放熱角度を180°はもとより、270°にしたり、360°にしたり、ということも出来ますね。

しかし、現実にはこれでも充分薪ストーブで暖まると思います。なにしろ狭い家ですから。いや、そのためになるべく狭い家を目指して計画したのですから。暖まった後の、暖かさの維持には熱効率が重要になりますし、薪の消費量も変わってきます。そこは薪ストーブの材質を石にする事で、少しでも解消できるようにしています。(詳しくは薪ストーブについてでブログを一つ書きますね。)

 

階段は画像右下(南東)の角に配置しました。これは薪ストーブの位置が先に決まった結果、後から決まったものです。

階段は螺旋階段になるので、これもスペースに余裕を見ておかないといけません。

吹き抜けの真ん中にドンと置くのもいいですし、端に寄せて手摺りなし(ログ壁や中心の丸太を支えに触りながら登り下りする)もいいかなぁ、と思っていました。結局はこれもスペースの問題で隅に寄せる事にしましたが、手摺りが無い方が階段を造っている木材がよく見えていいと思います。

 

南側の窓も大きめにしました。一つは採光を考えてのことです。もう一つは、実は南から南東にかけても景色の見渡しが良く、民家も無くて里山にいるような風景が広がっています。妻は山よりもこちらの方が気に入っていて、こちらの景色も良く見えるようにした、ということです。この窓と、北側の出窓は、左右に幅が少しだけの縦長で開閉式の窓が付いており、換気や風通しができるようになっています。

 

長くなりましたが、こうして決まった現時点で説明済みの東側区画がこちら↓

f:id:HAKUGIN:20200301190607j:image

あとは空いているスペースでキッチン・ダイニングを造ります。できれば机や本棚などもこちらに入れたいのですが、詳細はこれからです。

西側区画との間の開口部(アーチカット)はもうこの位置で開けてしまったのですが、いちおう計画段階ではキッチン・ダイニングのレイアウトは決まっています。それに基づいてアーチカットも計画したのですが、キッチン・ダイニングのレイアウトも変えようかと話しているところなので、この開口部はそのままにしてプランを検討中です。

 

長くなってきたので、次のブログに移ります。

次は西側区画についてです。