ハンドカットログハウス建築日記

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ハンドカットログハウス建築&日記

メーカー選び③

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画像は白馬八方尾根の北尾根高原にあるツリーデッキです。

ログハウスに螺旋階段、ウッドデッキの組み合わせもいいですよね?

 

では本題、私がC社に決めた理由、考えたことなどを書きたいと思います。

メーカー選び その②にも書きましたがログハウスを扱っている会社は今でも結構あるものです。

また、現在建築されるログハウスのほとんどはマシンカットですから、マシンカットで検討されている場合は他にもたくさんのメーカーから選ぶ事ができます。

ただし・・・

ハンドカットを建てる場合、ハンドカットは対応可能としている会社でも、今までの建築棟数が少なかったり、取り扱い年数が短かったり、取り扱い年数が長くても継続して建築していなかったりすると、注意が必要です。(私が依頼した会社の方に話を聞いていると、あのメーカーのこんな裏話が・・・ということもありますので、会社としての経験、事業継続、ログハウスに精通した人材確保という意味でも、上記のことはよく調べてから決めて下さい。)

また、その会社に依頼するとしても、最終的に建築するのは大工さん(ログビルダー)なので、その人の経験値・継続してハンドカットを建てているかが大切です。私は技術というものは定期的に使わないと衰えるものと考えます。その点では、ログビルダーの方に直接建築を依頼するのが一番安心です。

ちなみに私は、どのメーカーにするか決める際には、担当者だけでなくログビルダーの方にも会わせてもらいました。

 

 

マシンカットではメーカーを検討したことがないのでなんとも言えませんが、ハンドカットと共通してメーカーによって大きく違うと思うのは、

①建築地がメーカー建築対応範囲内か

②ログ材を自社で加工できるかどうか

③そのメーカーの得意・不得意

④会社・担当者との相性

です。

①については、建築地とメーカー所在地の距離が近いほうがその土地の気候に熟知しているので、よい提案をしてもらえます。これはログハウスに長く住むことを考えるととても大切です。私もハンドカットフルログで無塗装にするに当たって、周りの環境への対応が大切だと思いました。かのアラン・マッキー著で日本語訳されている"エコロジカル・ログビルディング"にも出てくるフレーズですが、"私達はその家に住むのではない。その土地に住むのだ。家は私達が長くその場にとどまるための手段でしかない。"  (原文そのままではない。私の意訳。)という事です。

その家に住む、という考えしかないと、自分の希望や最新技術だけを追い、20〜30年でリフォームまたは建て替えが必要な家がほとんど、という現状になります。最近の住宅を見ると、これは大きな家電製品だ、と思えますね。オール電化しかり、IoTとの連動しかり。

その土地のことをよく知り、それに合わせた家にする。

そのためには、その土地のことをよく知っている地元の人に頼み、対策をいろいろと施す技量が伴っていなければならないと思うのです。自然素材をふんだんに使って建てるログハウスであれば尚更です。

また、近いほうが建築費用も抑えられるかと思います。そして、建築後のアフターフォローにも有利です。

また②については、それによって選べる樹種・使える木材が変わりますので、特に下記の方には重要な項目です。

・ご自身で調べて、またはこだわりがあって樹種が決まっている方

・山を持っている、または木の手配は自分でできる方

・原野、または木が生えている状態で土地を購入して、刈った木を使ってログハウスを建てたい方

などは、自社加工できるメーカーでないと対応出来ないかと思います。

私も最初は国産材ヒノキ、またはヒバで考えていたので、国内加工メーカーに絞っていました。2015年頃の話ですが、林業がすたれ、木材価格の下落でスギよりもヒノキの方が安い場合もあるくらいでした。スギは一般的に流通量が多く良材が安く手に入るかと思いきや、全国各地にある良材のスギ、いわゆるブランドスギは価格下落に対抗して、価格を上昇させていました。それには刈る前の手入れの徹底、刈る時期の選別(新月伐採)、刈った後そのまま山に置いたまま乾燥(葉枯らし乾燥)させてから出荷する、などの努力があります。農産物でも贈答用などは高いのと同じことです。

また、青森ヒバは官材となっていて、ようするに皇室向けに山ごと管理されていてほぼ出回らない、ということも分かりました。特にログハウスに使うような12m材は確保できない、と。

③については、④も共通する所もありますが、担当者の好みや責任感・アフターフォローへの態度による所も大きいです。ログハウスを扱う会社の方々なので、おおむね皆さん木が好きで、お客さんの為に良い家を建ててあげたい、という気持ちで働かれています。しかし、専門的なことになるので、例えば樹種の選定ひとつ取っても、五感的に色艶、香りの良さなどを理由にレッドシーダーを薦められる場合もあれば、加工のしやすさでダグラスファー、という場合もありました。また、安全策を取るという意味で改善を重ねられ、そのメーカー独特の得意・不得意があります。

 

私の場合はこれらのことを考慮しながら、メーカー選びを進めていきました。

次のブログでは、メーカー決定までの時系列での出来事、その時考えたことなどを書きます。