ログハウスの種類について
ログハウスにはどんな種類があるのでしょうか?
建築基準法でいう丸太組構法に当てはまるのは、ハンドカットのフルログ↓
マシンカット↓
ポストアンドビーム↓
です。
ハンドカットのフルログはノッチ(ログの交差部)の加工方法がいろいろありますが、特に特徴的なのがダブテイルノッチでしょう。↓画像2枚分
これは見た目上、全く違う種類のログハウスに見える程、雰囲気が違う構法だと思います。
これはノッチが台形(鳩の尻尾=ダブテイル)状に加工され交差部から外側への出っ張りがありません。各ログ材は丸太のまま(1枚目の画像)もあれば、室内外を平らに挽いているもの(2枚目の画像)もあります。また、上下の各ログ材が接しておらず、間を白いチンキング材で埋めているチンクダブテイルは、現在では建築確認申請上認められないそうです。上下の丸太が接していなければならない、と(私が建ててもらう会社の方談)。
もしハンドカットのフルログを建てた後、2棟目を考えるならダブテイルかポストアンドビームにしたいと思うくらい、魅力的です。(石積み、またはアースバッグ構法も気になりますが)
ポストアンドビームは構法としては在来工法、または軸組構法と同じですが、構造材を丸太のまま使用しています。
これは構造上の建物としての強さに全く関係ありません。材料が太いからといって強い建物ではないのです。ある意味自己満足ですね。(かく言う私も自己満足のために太さにこだわってログ材を手配してもらいましたので、否定は出来ないです・・・)
寺社仏閣などに用いられる日本伝統の素晴らしい木材加工技術をはじめ、一般木造住宅、在来工法や軸組構法などを調べると、ポストアンドビームの丸太ほどの太さは全く必要ないことが分かります。むしろポストアンドビームの組み立て前の加工済みログ材を見ていると、その仕口の加工の浅さに不安感を覚えます。重さと頰杖(柱や梁に斜めに取り付ける構造補強材)だけで支えている感じですね。
しかし、ログハウス建築会社の社員の方々のマイホームを見てると、結構ポストアンドビームが多い印象です。これは間取りの自由度の高さを優先しての事と思います。ログハウスらしさ、木材の太さ・ワイルドさを残しつつ、間取りは在来工法と同様に自由にできます。このありがたみは、ハンドカットのフルログで計画して、間取りを決める苦行を終えた今だからこそ分かります。
また話がそれましたが、ログハウスの種類としては他にティンバーフレーム、ピーセンピースなどもあるようです。(画像がなくてスイマセン。検索すればすぐ出てきますので。)
ティンバーフレームは内部から見ると太い角材で出来た在来工法のようですが、厳密に言うと木枠(平面状、二次元)を何個か作って、ドミノみたいに並べ、間を角材でつないでいる構造(これで立体、三次元になります)です。
ピーセンピースは基本的にはポストアンドビームですが、柱と柱の間の壁に木材を横積みに落とし込む構法です。ポストアンドビームは壁の仕上げは板貼りか漆喰が多いようですが。
以上、ログハウスの種類について書きましたが、詳しくは地球丸から出ているログハウス関連書籍の方が分かりやすいでしょう。
今後ログハウスを検討される方々は、これらの構法も見てみるとよいかと思います。
ログハウスに決めた!
家を建てようと思った時、どのような経緯で決まるのでしょうか?
私の場合、妻と初めて出会った日に決まりました。彼女はその時から「私はログハウスに住みたい。」と言っていました。その時はログハウスについてなんとなくのイメージしか無かったのですが、面白そうだな、と思ったのを覚えています。
元々スキーや山登りが好きだったり、子どものころよくキャンプに行っていたことも影響しているかもしれません。山の中の別荘地にはログハウスがよくありますし、自然の中で過ごす事でなるべく自然素材で家を建てたい、という思いが芽生えたのだと思います。
結婚してから、家を建てたくてログハウスについて調べ始めました。そしていつしか、妻よりも自分の方がログハウスに魅せられていました。新婚旅行にも、定期購読の手続き後、初めて届いた夢丸を持っていきました。
夢丸とは、"夢の丸太小屋に暮らす"の略で当時唯一のログハウス専門誌で、隔月刊でした。その後ログハウスマガジンに誌名変更しましたが、2019年3月号を最後に発行されなくなってしまいました。
夢丸を発行していた会社、地球丸から出ている色々な雑誌も図書館で借りて、ログハウスにも色々な種類があることも分かりました。
私は最初から迷うことなくハンドカットのフルログ、それ以外にするくらいならログハウスは建てない、と公言していました。
お金のことなど考えず・・・
ちなみにハンドカットのフルログ、という言葉は、ログハウス建築会社に連絡してログハウス施工物件を見学させてもらった時に知りました。夢丸にはフルログという言葉は出てこず、
ハンドカット↓
マシンカット↓
ポストアンドビーム↓
が主な分類かなと思っていましたが、建築会社はハンドカットかマシンカットかで区別しています。また、ハンドカットでも横積み(フルログのこと)なのかポストアンドビームなのかで区別しています。
ログハウスと言っても色々ある、それでもハンドカットのフルログにこだわるのは、単純に圧倒されるから。
高校生になるまで音楽の"お"の字も知らずに、いきなりX JAPANの紅のイントロを聴いた時と同じでしたね。頭の中で雷が落ちた。(その後ドラムやったりして・・・一年で辞めたけど)
その後も車を運転していると、よそ見ばかり。視線は街中の家に向いてました。三角屋根で茶色っぽい外観だと、即ウインカー作動!前の信号は隣の妻が教えてくれたお陰で、なんとか事故にならずに今日まできました。始めは楽しくて、ウロウロしたり、突撃訪問して話を聞いてみたり。
でもそのうち、マシンカットだったり、ログハウス"風"だったり(ただの板貼り)すると、あまり興味が湧かなくなりました。
丸太そのままの豪快さ、自然への敬意、それをなるべく手付かずで残したい、そしていつもそれを感じながら暮らしていきたい・・・
その後もマイホーム建築を考える時、ハンドカットログハウス以外に興味はありませんでした。
これは僕にとって幸せなことでした。
なぜなら他の家と比べることに時間が取られなかったから。
以前よく某B社のログハウス展示場を訪れていた頃、そこの社員の人に聞いたことがありました。
「なぜこの会社の社員になったのですか?」
「他のメーカーと比べられたくないから。この会社なら相見積もりされることなく家の話に専念できる。」
その方は実際に自分の会社で建てた家に住んでいて、日々の暮らしにとても満足そうでした。その気持ちは、とても幸せに溢れていると思います。それをお裾分けしたい、という気持ちもあるでしょう。
(まあ今となっては、ログハウス建築会社として某B社を選ぶことは100%ありませんが)
僕も"マイホーム候補として"、他の構法の家や一般住宅をハンドカットログハウスと比べることはありませんでした。
ただし、ログハウスのメリット・デメリットを知るため、または一般的に家を建てる時のことを知るために、他の構法や一般住宅を勉強したり、よくある大手の建築会社の寄せ集めの住宅展示場にも行きました。
ログハウスといっても、"一階の壁が木の横積み"という以外、かなりの部分で一般住宅と同じですので。基礎、床、屋根、内装のほとんどは一般住宅のことを知っていた方がよいでしょう。
とにもかくにも、一目惚れ的にハンドカットログハウスに決まり、それ以外には目もくれない状態で、ここまできました。
埼玉県N建設のブログにもたまに出てくるフレーズですが・・・
ハンドカットとマシンカットで迷うなら、ハンドカットは、辞めたほうがいい。それくらいハンドカットのことしか考えてない人が、ハンドカットを建てるべきだ。ハンドカットのデメリットが気にならないくらい、ハンドカットに魅了されている。
この心境に同感と思える人は、ある意味幸せだと思うのです。
そして、これからハンドカットログハウス建築を考えている方!
応援してます!!!!!!
緊急事態!? その2
画像少なめなのでなるべく載せていきますね。これはお気に入りの岐阜県御嵩町にあるパン屋さん、風見鶏です。
続きです。
汚れ・腐る・カビの問題についてです。
基本的には、その都度落とすしかないかと思います。
汚れは取り除き、腐る・カビについてはその都度表面を削ってしまえば良いのです。
ちなみに表面を削る、というのはマシンカットの場合ためらわれるかと思います。ログ材の太さが均一ですし、元々細いから。気軽に削れるのもハンドカットのいいところですね。
従って、汚さない・濡らさない・カビさせない、が大事です。治療より予防ですね。
そこで木材保護塗料を塗って守りに入る訳です。数年おきに再塗装も必要です。
一般的には・・・
自然素材である木材を最大限に使って家を建てるのに、最後の最後で化学物質で家をコーティングしちゃうの?
僕はそれが嫌で、"無塗装"とすることにしました。詳しくは"無塗装"でブログを一つ書きますね。
話を戻して、汚れ・腐る・カビについてですが、腐る・カビについてはいろいろな要素が絡みそうです。
私は大きく捉えて3つ、家の外部の湿度、雨や雪、樹種に気を付けました。
家の外部の湿度は、自然環境のことなので土地を選ぶことから始める方は、もちろん考慮に入れておかなければならないと思います。気候的に湿度が高い土地よりは、低い土地を選びたいものです。湿気がたまらないよう、風通しがいいかも大切です。
雨や雪は、ログ壁にかからないように構造上の工夫がいります。具体的には屋根を大きく架ける、アウトリガー(屋根をログ壁よりも外に出す)を採用する、基礎を高くする、でしょうか。
樹種を選ぶのも楽しいですが、見た目・香り・構造材としての強さとともに、水・カビ・腐りに強い樹種を選ぶことも大切です。ログハウスに使われる樹種はおおむねこれらに強い物ですが、その中でもどれを選ぶかという、マニアックなところにこだわりたいですね。
ちなみに私はカナダ産のイエローシーダーにしました。樹種の決定については、また、別の機会に。
後半は、ログハウス建築会社の対応についても書いておきます。
大前提として、やはり雨や雪に濡れないに越したことはありません。
この状況を、建築会社にこの日朝イチで電話報告しました。
返答は想定内、「全然問題ないです。ご自身で雪をはらって、シート被せてもらってもいいですよ。できないなら、いちおう現地に一人行かせますね。」
その後どうなったか連絡、報告は無し。この電話の2日後の昼はそのままの状態で、3日後の朝にはシートが被せてありましたので、その間に対応してもらったのでしょう。
その程度の問題だということです。
また、自分が建ててもらう業者とは別の業者の対応も、知っている限り書いておきます。
今、私がログハウス建築会社のブログで毎日見ているのが、埼玉県のN建設と、三重県のK社です。この2社は毎日ブログを更新しています。それぞれの会社のホームページからブログに飛べます。
まずはK社から。
2019/12/25のブログでちょうど、雨の中でハンドカットログハウスの加工中のことが書いてあります。
どこのログハウス建築会社も同じ事が分かっていただけると思います。
続いてN建設。
こちらは、事実をお伝えする意味でも注目していただきたいブログです。
辛口なブログですが、自社の気を使っているところ、施工の丁寧さを売りにされてます。
最近このN建設の施工で、今の私の家の近くでマシンカットログハウスの建築が始まったので、とても注目しています。
そしてこの会社の売りの一つが、ログ材の扱いの丁寧さ、組み上げまでの間のログ材保管倉庫の存在、ログ組み・棟上げ・屋根を架けるまでをスピーディーに行いログ材を濡らしません、ということ。
しかし、家の近くの現場をこまめにみていると、天気予報が怪しい日にクレーンが・・・まさか今日から組み上げ?
翌朝雪が積もりましたが、見に行ってみるとその中を作業されていました。
気温が高く、湿気の多いボタ雪でした。
道路は雪が溶けてますが、赤いクレーンの手前の青いビニールシートの上に、まだ雪が残っているのが確認できます。
ログ材を濡らさず、丁寧に施工する事が売りのN建設が、雪の中ログ材が濡れても作業している・・・
ブログにはどのように書くのか・・・・
結果はご自身でN建設ブログを見ていただければ分かります。
N建設も雪の中、作業しているのは事実。
これで、ログ建築の際にまったくログ材を濡らさない方法はない、ということが分かりました。
どの建築会社に頼んでも濡らしてしまう可能性はあるということです。
そして濡れても、木についての知識があれば安心できると思います。
以上、雪が降って書きたい事ができたので、先に書かせてもらいました。今後はログハウス建築について、なるべく時系列で書いていきます。
ここからが本番です。
今後ともよろしくお願いします。
緊急事態!?
まずは画像を。
一枚目はログ材の搬入直後
二枚目はログ材の上にシートをかけて養生中、雪が降りました
なぜ養生中かは後から時系列に別ブログで詳しく書きますが・・・
簡単に書くと、うちが依頼したログの建築会社は原則カナダで加工した物を輸入して、現地へ運んだら即組み上げます。
うちはまだ基礎ができていないので、組み上げることができず、それまで養生しているのです。
ようするに組み上げの日までは建てる場所の横に置きっぱなし、雨や雪になるべく濡れないようシートをかけてあります。
そして雪が降り、二枚目の画像の状態に・・・
これは緊急事態!!!!!
と思いますよね、普通。
しかし、そう思うのは我々一般人だけ。
ログハウス業界の方々にとっては、いつものこと。
人によって感じ方にこのギャップがあるので、今回のブログを書いた次第です。
今後もですが、このブログはこれからログハウスを建てる方、建てたい方、興味があって調べている方に、私なりに参考になると思うことを書いていきます。
ではログ材に雨や雪がかぶったら、どうなるのか?
一般人としては、木が腐るんじゃないか?カビが生えるんじゃないか?乾燥した木材の湿度がまた上がってしまうのでは?という心配が頭をよぎります。
ですが、それは心配無用ということです。
まずは木材の湿度、乾燥状態について。
私も少しは木について勉強したので今は納得していますが、私なりに説明すると理屈はこうです。
木は縦に(地面から空に向かって)線維状の細胞でつながっていて、丸太をチェーンソーで横方向に輪切りにするとスポンジ状になっています(断面がスポンジ状なだけで、それぞれの穴は上下方向に一直線に繋がっています。顕微鏡で見ないと分かりませんが)。
木が乾燥する過程で、水分は主にこの輪切りになったところ"木口"から"蒸発"していきます。
縦方向に表面の皮をむいたところからは、ほとんど乾燥はしないということです。
これは効率の問題だと、私は理解しています。
木口は、その木材の全ての線維がむき出しになりますが、表面の皮をむいたところはその線維が切れたところだけむき出しになっていて内部は閉じ込められたまま。
なので、木材の乾燥は"木口"からの方が効率よく進むということです。
これはログハウスのセトリング(木材の乾燥に伴って、ログを横積みにした壁の高さが低くなること)や、室内の湿度管理、木独特の香りについて理解する時にも役立つ考え方です。薪ストーブを導入される場合には、薪の乾燥を考える時も同様です。
木口がどこにあるのか(主に室内なのか・室外なのか)、木口が東西南北どちらを向いているのか、木口の数は(アーチカットや窓、扉の数は)、などの構造上の要素から、木材の各部によって乾燥具合が異なり、セトリングも均一には起こらないことになります。
もちろんそれはおおむね5年くらいの短期間のセトリング過程での話であって、20年30年経ってセトリングが落ち着く頃には、ほぼ全ての部位で乾燥がすすみ、ログ材どうしもガッチリ噛み合う状態になります。
また、木材自体に調湿機能がある事が知られていますが、主に木口から湿度を吸ったり吐いたりするので、室内の木口の露出箇所が多いほうが湿度管理に有利です。
そして木材の木口から湿度が吐き出される時、その木材特有の香り成分も一緒に出てくるので、やはり室内の木口が多いほうが木の香りも強くなります。
従って、せっかくのログハウスなのでアーチカット(室内のログ壁をくり抜いた開口部)を一つでも多く作りたい、ということになります(それによって、室内の木口の数が増えます。窓や扉は必要に応じて必ず作りますが、アーチカットは意識して間取りを決めないとその数が変わりますので)。
これもまた、ログハウスの間取りを考える時の楽しみですね。
話がそれましたが、長い目で見ると木材の表面が雨や雪で濡れても、20年30年の乾燥過程では影響がないということです。
木口が濡れても、一時的に毛細管現象で水分を吸い込みますが、すぐに元の乾燥状態まで戻るそうです。そしてその後もゆっくり乾燥は続く。
表面が濡れても気にしなくていいのは、もうご理解いただけた思います。
ただし汚れ・腐る・カビの問題が・・・
長くなってきたので、別ブログで書きますね。
ブログを開始しました。
初めてブログを書きますが、自身の記録が誰かの参考になれば幸いです。
私のハンドカットログハウスの建築はすでに始まっていますがまだ基礎の着工前なので、今までを思い出しながらなるべく時系列で、そして今後の完成まで、完成後もいろいろと書いていければと思っています。
また、ハンドカットログハウス建築を考えている方、興味があって調べている方にとって有益な情報となるよう、現実をお伝えし、また私の本音で書いていきます。
ブログを始めたきっかけは、妻の知り合いの方から、「貴重な経験だし写真映えするから、公開した方がいいよ」と言われてその気になった次第です。
写真映え、ということでインスタグラムも考えましたが、自身の記録と、後から振り返れることも考慮してブログにしました。
その気になったのには理由がありまして・・・
マイナーな建物ゆえに情報が得られにくい。
映画やメディアなどいろいろなところで取り上げられやすく、別荘やスキー場近くのロッジとして真っ先にイメージが浮かぶログハウスですが、今は建てる方も少なくなり、夢丸(正確には、"夢の丸太小屋に暮らす"又は雑誌名変更後は"ログハウスマガジン")という雑誌も無くなりました。
しかし、私同様、ログハウスを初めて見た時に衝撃を受け、マイホームにログハウスを選ぶ方は今後もいると思います。
ゆえに一生懸命情報を集めるのですが、足繁く某B社のログハウス展示場に通うか、今は無き夢丸のバックナンバーを見るか、ログハウスメーカーのホームページ又はパンフレットか、車で走ってて見かけたログハウスに突撃訪問か(笑)・・・
いろいろとそれなりにやる訳ですが、やはり進めていくに従って知らないことがいっぱい出てくる訳で・・・
実際、これらの情報源だけでは足りず、今まででも戸惑うことがたくさんありました。
その方の知識経験によっても必要な情報は異なるかと思いますが、ご安心下さい。
私は、初のマイホーム建築、仕事は建築関係でも不動産関係でもなく、家族親戚知り合いにログハウスに住んでいる人もおらず、まさにゼロからのスタートです。
では、今後ともよろしくお願いします。