現場経過報告4/24
この日、現場に着くと車を降りた途端にチェーンソーの音が聞こえてきました。
近づいてみるとやはりチェーンソーで加工しています。
拡大すると、ココを削り落としていました。
上の画像と反対側から撮っていますが、削り落とした部分がこちら。左の縦長の穴の上、凹型に加工されています。
これは当初からの計画ですが、薪ストーブの熱効率を考えて頼んだものです。
暖気は原則上に逃げていくので、薪ストーブがある空間からなるべく暖気が横方向に広がるように、暖気をいったん一階天井で受け止め、さらに天井をつたって横方向に広がるようにと考えました。
そのために天井から下5cmだけ横穴が開くようにしたものです。横幅は50cmあります。一階天井と二階床の間にも高さがあるので、その分の高さも見込んで凹型加工しています。
これは実験的要素が強いです。薪ストーブの熱効率についてはいろいろ調べられますが、このような対策は書いてありません。一般的なのは、上がった暖気をシーリングファンで下ろす、もしくは階段と吹き抜けを別の位置に配置して一階と二階の空気を循環させる(吹き抜けから上がった暖気を階段から下ろす)、というもの。
しかし、これらは本当に有効な対策でしょうか?
水の中に入れた風船を考えてみると良いと思います。沈めてもすぐに浮かんできますよね?風船を暖気に置き換えてみると分かりやすいと思います。シーリングファンで暖気を下ろしても、風向き方向が垂直なのでそのすぐ1m横から再び上がっていくでしょう。何かのサイトで読んだのですが、シーリングファンの効果は高さ2m強くらいに限られるそうです。従って吹き抜け部分の二階天井にシーリングファンを設置しても、二階床くらいの高さまでしか暖気は降りてきません。電力を使ってシーリングファンを回し続けても、吹き抜け内の上部空気を掻き混ぜる程度で終わる可能性があります。熱効率を考えて家全体を温めるには、熱の縦方向の移動だけでなく横方向の移動が不可欠です。暖気を斜めに下ろしてその上に一階天井があれば、暖気を受け止められるかもしれませんが。
また階段と吹き抜けで空気を循環させるのも、先程の水と風船の例で考えるとあまり効果的ではないと考えます。本当に階段から暖気が下りてくるのか?という事です。もしかしたら、吹き抜け・階段ともに暖気の逃げ口になってしまいかねません。もしそれを狙うなら、階段上にシーリングファンを付けるべきでしょう。もちろん高さ2m強程度の位置に。(そうすると階段の構造も工夫が要りそうですが。)
私のログハウスの場合、薪ストーブがある空間に吹き抜けもあるため、吹き抜けから上へ暖気が逃げないように薪ストーブは吹き抜け内の一階に設置ではなく一階天井がある所に設置しました。そして一階天井で受け止めた暖気が、天井をつたって横方向に広がるように工夫してみました。吹き抜けのふちには大引と呼ばれる構造材丸太があります(画像左端の、ログ壁に90度で交差する丸太です)↓
画像で写る部分は全て一階天井があります。この大引の左側が吹き抜けです。
この大引が一階天井から20cmくらい下まで出ているので、暖気が通気穴へ流れやすくするには充分だと考えます。暖気が20cmの障害物をくぐって吹き抜けへ行くより、障害物無しで横方向へ行く方が物理的に自然です。
話が少しそれましたが、効果の程は後日薪ストーブを使った時に検証してみたいと思います。
おまけですが、この凹型加工で取り除いた部分が悲しげに落ちていました・・・
屋根は合板が葺き終わったのでビニルシートで養生です。4/26のルーフィング待ちです。
ログ材の内部に使った断熱材グラスウールが再び用意されていました。一階天井内部に入るのかな?
北側屋根もビニルシート養生。
二階床の根太が設置され始めています。画像で屋根の下端とログ壁上端の間の、横長の板材がそれです。
これらは、これから設置される二階床根太用木材。もちろんウエスタンレッドシーダーです。
先日、建て方のブログで触れた面白い表情の柱です。二階でよく目立つ位置です。
玄関上のドーマーを見上げて。
北側ドーマーを見上げて。
ともに棟換気のためのスペースが開いていることが分かります。その上の養生用青ビニルシートが見えています。
本日の最後に、換気口の凹型加工で出た木材の削りカス。チェーンソーでカットするので細かい木屑です。それが丸太の上半分だけに積もっています。これは日常のホコリについても同様のことが起こります。悪く言えば、掃除しないと丸太の上半分だけホコリが目立ちます。よく言えば、丸太の上半分だけ掃除すれば済みます。
今後も現場経過報告は続きます。
現場経過報告4/23
この日、現場に着くと屋根の合板が全て貼り終えられていました。
南側から。
内部も光が遮られ、室内の明るさはこんな感じかなぁ、と実感できます。
二階部分も空間の広さ、雰囲気などそれっぽくなってきました。
北側から。ドーマー以外合板が貼られ、屋根の形はほぼ分かるようになりました。
建築中で中に入れないため私と子ども達は外から見学。暇を持て余して虫を捕まえ始めました。
ところで、屋根の合板は一番上だけ隙間が空いています。
これもあえてそうしてあるのですが、屋根内の換気のためです。
下の方の湿気が屋根内を登っていき、棟木上から抜けるようになっています。
屋根については、4/26にルーフィングという作業(屋根用の防水シートを貼る作業)があり、下地が完成します。ルーフィングは大工さんではなく、屋根専門の方がやる事になっています。
その後、ガルバリウム剛板を貼って仕上げとなります。色は赤にしました。
過去のブログにも書きましたが、外観は上高地帝国ホテルを意識しています。↓
従って、屋根も同じ赤としました。山小屋では定番の色です。耐候性、断熱性などはシーダーシェイクや瓦に劣りますが、屋根材としてガルバリウムを選んだのは上高地帝国ホテルを意識したためです。(あと価格面も・・・)
また今後基礎にはDIYで石を貼っていきます。これも上高地帝国ホテルと同じようにするためです。
最近はC社から毎日のように電話があり、今まで打ち合わせしていなかった事を随時決めていっています。
工事が進むにつれ、次の作業にスムーズに移るために前もって決める事がまだたくさんありました。
屋根材の色もその一つです。
ちなみにその他最近(上棟後に)決めたことは・・・
キッチンの大きさと配置、屋根ドーマーの位置と大きさ、床の仕上げ材と色(一階と二階)、扉類(玄関、風除室、脱衣場、風呂場、トイレ、勝手口)、電気配線図、などなど。
一般的な家造りから見れば、今頃?と思われるかもしれませんが・・・
ある意味贅沢な決め方をさせてもらっています。ログが現場に建ってから、空間的な大きさ、広さ、明るさ、雰囲気などを確認してから決められるのですから。
今後も現場経過報告ブログは続きます。
現場経過報告4/22
4/21は屋根の垂木かけまで終わりました。
4/22に現場に着いてみると、ドーマー部分が変化していました。
拡大すると、こんな感じ。
斜めに補強材が入りドーマーの形が見えてきました。
南側アウトリガーの屋根下も雰囲気が分かるようになってきました。
四角の中も、ドーマー部分以外は他と同じように縦に垂木がかかります。
見上げるとこんな感じ。
建築自体の進み具合には関係ありませんが、細部の画像も少し紹介します。これはログ材の表面にダメージがある場合に、削り落とすとともに意匠性を持たせた加工跡です。これはこの加工場の独特の模様ですね。
こちらは屋根の垂木の終わり部分。こちらは内部はパイン材ですが、一番外側にはウエスタンレッドシーダーの破風板が設置されます。その間には少しだけ隙間を設けるため黒いゴム板みたいなものが挟まれていました。これで水捌けもよくなります。また破風板は長さが足りないので継いでいますが、その断面は垂直ではなく斜めに合わさっています。これで水が入っても、中までは入りにくくしているのだと思います。
こちらは大屋根と玄関上のドーマーとの接合部。
拡大するとこのような板材仕上げになっていました。少し段差がありますが、最終仕上げはどうなるのでしょうか?今後追跡していきます。
同じ接合部を真下から見上げるとこんな感じ。
この部分だけ下のウッドデッキに雨がかかりやすくなりそうです。
またこの画像をよく見ると、垂木の下方接合部近くに縦横3cmくらいの欠き込み加工(凹型加工)があります。これは屋根内部の通気のため、とのこと。上は棟木付近から湿気が抜けるようになっていますが、それ以外の所も、ログビルダーさんの経験上湿気がたまりやすいところは、このようにあらかじめ通気穴を開けておく、とのことでした。
その後、垂木の上に合板が固定されていきます。これもとても早いペースで進むので、どんどん見た目が変わります。
1メートルおきくらいに水平に補強材が設置されます。大工さんの足場にもなっているようです。
拡大するとこんな感じ。
下から見ると明るさが遮られ、屋根下の雰囲気も完成後に近くなっていきます。
合板が屋根下から二枚分貼られたところ。
室内も暗くなっていきます。
西側からの全景も、破風板のレッドシーダーで木材ごとの色の違いがハッキリします。屋根の左側、合板が貼られたところもそこだけ暗くなっています。
合板、屋根下から三枚貼られたところ。
ドーマーだけが浮き出ています。
建て方が済んでも作業日は毎日変化があり、見ていて飽きません。
今後も現場経過報告ブログは続きます。
現場経過報告4/21
雨天で4/18〜20は工事お休みでした。
4/19は晴れたのですが、前日の雨で現場が濡れているため工事すると中が汚れるため、4/19もあえてお休みになりました。
ちなみに雨の間はどう養生されていたかというと・・・↓
ほぼそのまま。
その後4/21に屋根工事再開。
玄関上のドーマー部分も垂木がかかりました。
左右どちらからも垂木が確認出来ます。
画像のような、垂木に垂直な補強材も設置されました。
垂木が全てかかりました。少し遠目から見ると、より全景が見えやすくなります。
反対側も。
こちらには真ん中に四角い穴が。
この穴はドーマー部分です。
随時、次の作業に必要な材料がトラックで運ばれて来ます。
これは破風板と二階床用根太となるウエスタンレッドシーダーの板材です。
ログ材がイエローシーダーでも、それ以外の部分にこれだけレッドシーダーを使うと、香りとしてはレッドシーダーが勝ちますね。現場もいい匂いがします。
ドーマー部分に一つ柱が立って、ドーマーの高さが決まりました。
このドーマーは小屋組としての構造材の補強がないため、垂木の形を変えて組むだけです。それで最大限ドーマーが大きくなるようにお願いしました。
現場経過報告ブログは続きます。
現場経過報告4/17
建て方は4/16で終わり、無事上棟しました。
4/17朝イチの画像、これから屋根工事が始まります。
天気がいいうちに、屋根までかけたいのが本音です。それはメーカーさんも同じこと。
4/17朝イチは、まずは通しボルト設置から始まりました。
ノッチの外側10cmくらいの所に、ログ壁の上から下まで一本のボルトを通します。
これは日本独自のものです。海外にはありません。地震が多い地理的条件のため、ノッチやグルーブの加工技術もない時代に、お役人が安全性を確保するために考えた決まりです。今となってはいらないものなのですが・・・
豚の丸焼きだ、と言ってます。
お役人の神経質な守り意識から出た決まりごとが加工技術が進歩してもそのままなら、こどものお気楽さとどこでも遊び始めてしまう無邪気さは、普遍的なものではないでしょうか?
そうこうしているうちにも屋根工事は進んでいきます。
垂木がかかると屋根の形・大きさが分かるようになり、全体像が見えてきます。
垂木の仮止めは、とても早いペースで進んでいきます。
屋根の勾配も、ログの加工もピッタリ合うかと思えば・・・少し隙間があるような?
こちらの画像の方が隙間が分かりやすいでしょうか。これは実はあえて造ってある隙間です。屋根の軒裏にも板材を貼りますので、その隙間です。また、セトリングでログや屋根が動くので、その際にも少し遊びが必要になります。私の場合は、軒裏も室内も白く塗装してもらうことにしましたので板材仕上げではありませんが、それでも塗物の前の下地処理が必要なので、隙間が必要な事に変わりはありません。
垂木がどんどん仮固定されていきます。
室内側から見ても、屋根がある雰囲気が出てきました。
屋根の一面が、垂木かけ終わりました。
こちらはドーマーが一部設置されますが、それを無視して一律で仮固定されています。後からドーマー部分だけ切ってしまう、とのこと。
もう一面も並行して進んでいます。
こちらは玄関上のドーマーがあるので、その屋根の形を出すのに少し時間がかかっていました。
それでもドーマー部分以外は早いです。
妻壁側からの全景です。
ここで何かおかしいと気付かれた方はいらっしゃるでしょうか?
実は、左右で屋根の長さが違います。
それに伴い軒裏の懐も、左側の方が大きくなっています。
これも私が頼んでこうしてもらいました。画像左側は北面となるため、雨や雪がなるべくログ壁にかからないようにするためです。私の場合は地理的な知識が地元の方々に比べると足りませんが、幸い風配図によって年間を通して北風が吹く事を把握していました。従って雨よけ、冬の寒さ対策としてお願いした屋根形状ですが、地元の方々の古くからの家を見ると、おおむね北側に防風林を植えています。風配図がなくても経験的に風向きをご存知で、家造りの対策として浸透してきたのでしょう。
一部ログ材が垂木に絡む所は、垂木設置がとばされています。
ドーマー部分と大屋根部分が斜めに接する所の形を決めるのに、慎重な作業が続きます。
位置が決まったら、垂木二本で固定されていきます。
後回しになっていた垂木も設置されましたね。
こちら側の垂木もあと少し。
垂木が金物で固定されていきます。仮固定ではありません。垂木が長いので少したわんでいますね。
以上、4/17の現場でした。
建て方4/16午後
建て方三日目、4/16の午後です。
小屋組みとトラス、ようするに二階部分が出来ていきます。
こちらは玄関上のトラスの真ん中の柱です。このトラスは地上で組んでから設置ではなく、直接設置場所で組んでいきます。
まず真ん中。
その次に正面から見て右の斜め材。
もう一つの左斜め材も設置。
並行して、二階部分に作業用仮床が設置されました。ログビルダーさんに許可をもらい、上がらせてもらいました。上の画像はベランダ部分。
こちらはベランダ北側から車庫に向かって撮りました。
こちらはベランダ南側から車庫に向かって撮りました。
車庫を上から見下ろして。北側なので物置になる部分です。
車庫南側を見下ろして。
玄関上のトラスも間近に見られます。
トラスから東側に向かって。アウトリガーを上から見下ろしたものです。
二階からの山の景色を想定して一枚。
やはり電信柱二本が気になる・・・
これは使ってなさそうなので、撤去を働きかけます。
二階小屋組に取り掛かりました。
棟木を乗せる柱です。
ここに設置されました。ベランダの所です。
棟木の支え二本目。
この位置に来ました。
これが三本目。これは玄関上の棟木の支えも兼ねてます。
二階の柱も結構太いですね。ログビルダーさんと比べるとよく分かります。
玄関上のトラス後方に設置されました。
この角材も棟木の支えです。
これは玄関上の棟木です。クレーンで運ばれてきて・・・
ハマりました。
次は玄関上のトラスの左側斜め材です。
ここに設置して、三角形の斜辺の一つとなります。
もう一方も設置して、玄関上のトラスが完成です。これは三角形内の丸太が三本なので、車庫上の"W"型トラスよりは少し強度が落ちます。
ついに棟木が運ばれてきました。棟木は長いので三本に分かれています。
まず東側に設置されました。
二本目の棟木です。
上がりました。
その後は車庫上のトラスです。
クレーンで運びます。それにしてもデカい・・・そして重そう。
運ぶ途中の空中では小さく見えます。
徐々に近づいてきました。
トラスも設置完了。
横から見るとこんな感じです。
最後の棟木です。
重いので、空中での水平を保つのに苦労している様子です。水平に少しずつ下ろさないとハマりません。
祝、上棟です。
西側からの全景。
南西から。
北西から。
南から。
南東から。
これで建て方が終了しました。
最後の棟木が上がる時は、撮影しながらも心の中で拍手していました。
上棟式はしませんでしたが、気持ちだけ御祝儀を包みました。
また一つ、家造りが形になりました。
まだ完成までは遠いですが、ここまで来るだけでも、多くの人々が動きこれだけの苦労があります。工場で造れるものでもありません。これはこれで専門職です。ログビルダーさん達ともだんだん打ち解けてきたので、これからも楽しみです。
今後も随時報告ブログを書いていきたいと思います。
建て方4/16午前
建て方三日目、4/16の午前です。
現場に着くと、すでにトラス組みが始まっていました。
これは車庫横、四本柱の上に乗るものです。
ちなみにトラスとは、ログ材で造った三角形の構造で、主に妻壁に設置して屋根内を支えるものです。小屋組内部に設置したものもあります。
基本的に三角形で支えるので、三角形内のログ材の組み方は意匠的な意味合いが強いですが、一応数パターンある組み方で強さも若干変わります。基本的には三角形内のログ材の本数が多い方が構造的に強くなります。
4人がかりで組んでいきます。
このトラスは、三角形内のログ材を"W"型に組んだものです。ログ材四本でWを構成するので、トラスとしては一番強い構造になります。
トラスが間近に見られるのも今だけです。
トラスの底になるログ材の端は、このように加工されていました。
隙あらば遊び始める子ども達。
Wの両脇のログ材はかなり短め。アニメなどで見る原始時代の骨付き肉🍖みたいで可愛らしく思えます。
穴が開いています。このトラスは地上で組んでから乗せますが、この穴を使ってボルトで緊結されています。
その他に残っているログ材を見ていたら、面白い表情のログ材がありました。これは小屋組の柱となります。
徐々にログ材が減ってきました。
手前のブルーシートに乗っていない木は、薪として使うために貰ったものです。
最上段ログを見ていたら、トラスの底となるログ材の端と同じ加工が見受けられました。ここは共通の加工のようです。
屋根が無く、一階部分から空が見えるのも今だけです。それにしても窓がデカい・・・ここには特注サイズの出窓が入ります。
最上段ログ材の上半分だけ、垂直に削られた部分があります。この横方向のログ材は大引、垂直に削られた部分は根太の受けとなります。
三日目は足場設置も同時進行でした。
開口部は右の大きいほうが風呂窓、左の小さいほうがトイレ窓です。
以上、4/16の午前までの報告でした。
午後はいよいよ上棟。
ログ材が全て組み上がります。
建て方経過報告ブログは続きます・・・