ハンドカットログハウス建築日記

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薪ストーブと薪の調達について

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画像はフルログと薪ストーブの組み合わせ。

画像はメーカーパンフレットから拝借しました。私が導入する、ハースストーンのヘリテイジというモデルです。

(※2020/6/8追記、画像から見るとこれはヘリテイジではなく最大機種イキノックスだと思われます。訂正いたします。)

ハースストーンは石でできたストーブです。他のストーブが鉄の鋳物製か鋼板製なのに対して、異色の存在です。

石のストーブという選択肢があることを知ったら興味が湧いて、いろいろ調べた結果、機能的にも気に入り、薪ストーブはこれしか無いという事で、私の場合は即決でした。

皆さんも是非、石のストーブを選択肢に加えてみてはいかがでしょうか?

 

さて今回のブログは、薪ストーブと、薪の調達についてです。

 

最近人気のある薪ストーブ。

冬の寒い日に薪ストーブで暖を取る。

憧れですよね?

 

でも現実は甘くありません。

山間地に移住して、薪ストーブ導入のためにいろいろ動いてきたので、得られた情報を書いておきたいと思います。

 

薪ストーブで使うための薪の調達は今までも随時進めてきましたが、家の建築が進むにつれてそれもスピード感を持って進めなければならなくなりました。

薪については、ログハウスを建てることを決めた時から薪ストーブについても情報を得ていたため、早めに集めて乾燥させておかなければならないと分かっていました。しかも大量にです。

薪ストーブに全く縁の無い人は、どのくらい大量なのか全く想像できないと思いますが、ある意味暮らし方を変える覚悟が必要な程の量になります。もちろんお金で買える人は、それでいいのですが・・・

薪ストーブを主暖房にするのか、補助暖房としてインテリア的に使うのかによって、薪の消費量はかなり変わります。我が家は主暖房ですので、それを踏まえて24時間・一冬焚きっぱなしだとすると、この地域では一冬4トンの薪が必要となります。これは同じように薪ストーブを使っている近隣の方に複数話を聞いて、おおむね共通した見解です。

 

薪4トン。

 

この数字を聞いてどのくらいの薪を用意したらいいかピンと来ない人の方が多いのではないでしょうか?

運送屋さんの4トントラックが埋まるくらい。↓

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(画像は社名も入ってしまっていますが、ドライバーさん了解のもとに撮らせてもらいました。)

もしくは軽トラの積載制限いっぱい(350kg)載せたとして11.4台分。

なんか大変そうだ・・・と分かっていただけたでしょうか?

またストーブの種類によっても、家の広さや断熱性能によっても燃焼効率、ひいては薪使用量が変わります。そして同じ4トンといっても樹種によって燃え方、ひいては薪使用量が変わります。針葉樹の薪は手に入りやすく、乾燥も早いのですが、燃え尽きるのが早いので、針葉樹だけなら4トンでは足りず、それ以上必要になってきます。また針葉樹薪は一気にストーブ温度が上がるので、鋳物のストーブは損傷する事があるようです。(ちなみにほとんどの薪ストーブは鋳物です。)  広葉樹は薪として良い樹種なのでみんな取り合いの様相となっています。価格も針葉樹より高め。さらに乾燥がゆっくりなので乾燥に2年はかけた方がよいです。販売されてる薪は広葉樹で、すぐに燃やせるよう乾燥済みのものです。

従って薪の使用量は個人差があるので、冬を数シーズン越してみないと自分が必要な薪の量は分からないでしょうが、ひとまず4トンを目安に広葉樹中心で集めることにします。

ここで薪の乾燥のことも考慮しなければなりません。今年燃やす分と2年の乾燥期間を考慮して3シーズン分、12トン必要です。そうすれば、燃やすのが一冬4トンペースなら、毎年4トンだけ薪を足していけばいいことになります。庭には常に、乾燥させている薪が8トン〜12トン分の置き場が必要になります。

 

ただし状況は厳しいです。

まず薪ストーブユーザーの増加が半端ないです。

この地域は山間地なので、昔なら薪をストーブや風呂沸かしや調理にも使っていたでしょう。薪を集めるのは日常的に行われていて、田んぼや畑をやるのと同じ感覚だったようです。

ところが最近は薪ストーブユーザーが増えて、かつ日常的に薪を調達しないライフスタイルとなりました。従って、薪を買う、ということになります。

最近の住宅建築を見ていると、半分以上は薪ストーブを導入しているのではないか、と感じます。あくまでも体感的なものですが。

すると当然、薪の取り合いです。

薪ストーブユーザーの増加に薪の供給が追いついていません。これには先程書いた自前で用意しない人の増加と林業の衰退も関係していますが、それはいったん置いといて・・・

薪を販売している業者のサイトを見ると、在庫なし、予約待ち、乾燥済みでない物ならなんとかあります、という感じです。そして、冬前に全て完売。

週末だけ、家族団欒のために使う、という場合も多いようなので、そういう方々は必要な量だけ買えばいいと思います。出費もそこまで多くならないでしょう。

しかし私の場合のように、主暖房に据えて本格的に使いたい場合は、毎年4トン買うか、集めておく必要があります。ちなみに4トンを買うとすると、とある知り合いが働いている業者では広葉樹薪ですぐ燃やせる状態で23万円くらい、原木で12万円くらいです。しかも頼んでおいても、他のお客様もいるので確実に買えるとは限らない。

暖房代だけでこれだけ払えれば何の問題もありません。毎年買えば常連客として扱われ、優先的に薪を廻してもらえることもあるでしょう。

そうでない場合、なるべく薪を自分で集めて、乾燥させ、貯めておく必要があります。

そのためには前述のとおり、生活を変える覚悟が必要です。

薪をくれる方の立場になれば、いらない木はお金をかけず処分したい。また、早めにそのまま原木で持って行って欲しい。さらに切ったその場まで取りに来て欲しい。と思うハズ。

従ってご厚意をいただいたなら早めに貰いに行くのが優先の、フットワークの軽さが必要になってきます。

また、広葉樹ならありがたいですが針葉樹でも樹種を問わずもらうようにし、ストーブも針葉樹薪が燃やせるよう鋼板製にします。ほとんどの薪ストーブは鋳物製なので、あえて鋼板製を選ばなければなりません。ちなみに私が選んだ石のストーブも針葉樹薪を燃やせます。

また、原木があるところまで取りに行くのはもちろん、なるべく原木そのままで持って帰れるよう、トラックを持っておいた方がよいでしょう。私の場合は軽トラなので、2m弱の原木ならそのまま持って帰れます。

さらに、原木をもらったならチェーンソーで玉切りして(薪の長さで輪切りにすること)、斧で割って、乾燥させなければなりません。

ここで危なっかしいチェーンソーや斧も扱わなければならず、それに伴う色々な物も必要になります。

まずはチェーンソー。それに伴うものとして滑り止め付きの手袋、チェーンソー作業用ヘルメット、チェーンソーが足に当たった時に繊維が絡みついてチェーンソーが止まる前掛け、チェーンソーブーツ。斧も大きい物と小さい物、2種類あるといいです。

そうすると初期投資もある程度の額になってきます。覚悟がないと揃える気になりません。私の場合は、いろいろ調べて、初心者の自分に合うと思う物をネットで落としました。

チェーンソーは特に危ないので、素人が手を出すには、しっかりと安全対策をした上で、使い方をよく知っておく必要があります。私はチェーンソーを買ってから、周辺の安全対策のための防具を揃えるのに時間がかかり、季節の移り変わりなどもあって、一年程は使わずにしまったままでした。マキタのバッテリー式が良かったのですが草刈りが先に欲しくて、チェーンソーとセットで買ったためチェーンソーは後回しになってしまった事もありますが。

あとは教えてもらえる知り合いがいなかったので、図書館でチェーンソーパーフェクトマニュアルなる本も借りました。薪集めの仲間がいて、チェーンソーの使い方も教えてもらえると一番いいのですが・・・なんせ取り合いなので、一緒に薪集めをしてみんなで分け合う、なんて事が無い訳で。また、田舎の人はみんな田んぼや畑で忙しいので、時間を合わせてやるよりも個人で動いたほうが早い、という事情もあります。

林業の方や大工さんなどと知り合う事もありますが、薪の話になるとみんな口数少なめ・・・職業柄手に入ると思われるけど、そんなには無いからうちも困ってるんだよ〜っ言いながら、家を訪ねた時に見ると大量の薪確保!ここにも取り合いの片鱗を見る事ができます。たぶん自分がその立場だったら、薪をタダで分けることはしないですよね?その分業者に卸せば収入になる訳ですから。ですから上記の方々も売り物にならない薪をせっせと集めているのだと思いますよ。

さて、道具が揃ったら作業です。

これはもう、今後の毎日の中で行うことなので、日常生活の一部、仕事と同じです。

従ってここまで書いてこれば、日常生活を変える覚悟が無ければならない、ということも理解していただけると思います。

 

長くなってきたので、その②に移りたいと思います。