ハンドカットログハウス建築日記

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土地選びについて③

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画像は、某社のログハウス加工場です。丸太が置いてあるだけですが・・・

このブログを読んでいる人なら、この写真だけでワクワクできますよね?

雪をかぶっても気にしない、気にしない!

 

 

では、本題です。

 

土地選びをどのように進めたかというと・・・

 

 

とてもシンプル。

羨望第一。山が綺麗に見えるところ。

 

人間が行動する時、動機はいつも単純なものです。

なんだかんだ言っても、山が好き。

それが土地探しの第一条件でした。

 

景色を楽しみながらドライブして、周辺の地形と、景色の見え方を把握しました。しだいにこの地域の山の見え方が分かってきます。その中でお気に入りの山が出てきました。日の出、朝焼け、夕焼け、日の入り、月明かり、それぞれの時間帯での見え方を比べたりもしました。雪が降った時に、山がどう雪化粧するかも考慮しました。

しかし景色が気に入っても売地があるとは限りませんので、売地の情報をネットで見ながら巡る日々が一年くらい続きました。

ちなみにネットで検索して出てくる情報は、基本的には売れ残りなので注意が必要です。売れずに残っている理由が何かある、と思った方がいいです。

もちろん地元の不動産業者にも手当たり次第連絡しました。希望の土地物件が無ければ、新着物件で希望に近いものがあれば連絡してもらうようにお願いしておきます。

ちなみに不動産業者への対応はこれで満足してはいけません。先日のブログにも書いたとおり、いわば田舎の業者。都会のうるさいくらいの営業とはうってかわって、何も連絡がありません。頼んでおいたからいずれ連絡をくれるだろう、という期待感は見事に打ち砕かれます。いっさい音沙汰なしなので一ヶ月くらいして電話してみると、あなたどちら様でした?・・・

田舎で不動産業者を介して土地を探すなら、週一回くらいはこちらから電話を入れましょう。そうしないと忘れ去られて終わりです。

また週一回の電話で、土地物件を定期的に取り引きしている業者と、たまにしか取り引きしていない業者が見えてきます。

中には兼業でやっている方もいるので、事務所に行くと、"田んぼにいるのでこちらまで電話を"と携帯電話の番号が張り紙してあることも。

村に不動産業者が無いからと、村から依頼されてガソリンスタンド兼不動産業者という方もいました。ガソリン臭い事務所の中で土地物件の資料を見せてもらったのも、いい思い出です。

そうこうしていると、"この土地、まだネットに出してないけど、どう?"とか、"今からネットに出すから見てみて"という連絡が来るようになりました。

そうしてたまに、これは!と思う物件が出てきても、実際見に行ってみると、うーん、これはちょっと・・・という事が続き、なかなか思いどおりの土地は見つかりませんでした。

もちろん、こちらも常に動き続けています。

土地だけで探していたのを方向転換して、建物が残っている売り家としての物件も当たってみました。取り壊し費用込みでどうかな、敷地が広ければ今ある建物の横に建ててもいいかな、などといろいろ検討しました。また、ハザードマップ的にNGでしょ、というところも見たりしました。

 

その後、私が購入した土地物件が見つかった経緯は次のとおりです。

山間地に移住し、土地探しも2年経とうとするころ、今まで連絡した事が無かった業者がネットで公表していた売り家が気になって、見に行ってみることにしました。

その家自体も魅力的で、築100年くらいの雰囲気ある古民家でした。その家は残して、改造して、みんなで集まれる場所にするといいかもね〜などと言いながら、そこ以外の敷地内にログハウスが建てられそうか考えていました。敷地内に適度に残っている木々も魅力的でした。木が成長するのはゆっくりなので、庭に木が欲しい場合、すでに木が生えている土地を選ぶしかないので。

そしてある程度ひと段落した時、その不動産業者さんが一言、"今から売り出す土地があるから、良かったら見るだけでもいかがですか?"

時間もあるし、まあとりあえず見るだけなら・・・とついて行きました。

そこは山の羨望は抜群で、広さも充分でした。そして、ひと区画挟んで隣は山の斜面で、木々がたくさん残っていました。土地の中に木々が無くても、これを借景すればいいかな?というアイデアも浮かびました。

一方は山の景色が堪能でき、反対側は森の中のような景色が借景できる。今までにない土地でした。景色のよい開けた所のログハウスと、森の中に建っているログハウスが両立できる。

そう考えた時、もう気持ちはここに決まっていました。

もちろん、今まで土地選びについてブログに書いてきたことも確認しました。

ひとつ気になるのは、ハザードマップ的にどうなの?ということ。

山の斜面が近いので、土砂災害警戒区域かもしれないし、もともとこの辺りは断層が走ってたハズ・・・

あとから確認すると、この土地だけは土砂災害警戒区域から外れていました。周りはそれに指定されていて、見事にこの土地付近だけすっぽりと外れていました。まあ実際は、災害級の雨が降ったら周りは土砂崩れの危険性があるので、ここも覚悟はしておいたほうがいいでしょう。

また断層も、この土地の付近だけ見事にそれていました。

山沿いに辿れば、同じような条件の土地はあるでしょう。この地域の地形もさんざんドライブして把握していたので、それは分かっていましたが、ハザードマップを見て土砂災害警戒区域と断層があったので、この辺りは最初から検討から外している地域でした。しかし細かく見ると、この土地付近だけはハザードマップ的にOKだったのです。

それもそのはず、過去にはこの土地辺りにお寺があった時代があり、その後は小学校用地として管理されていたのでした。(その時の不動産業者さん情報です、後に購入の際にこの情報が正しいことの確認が取れました)

また購入にあたっては、ひとつ条件付きでした。"昔の地元有力者の邸宅が近くにあったので、土地を整備する前に遺跡発掘調査が入ります。何か発掘されれば、土地が利用できないこともあります。"とのこと。

遺跡発掘調査?

そんな事があるの?という感じでしたが、土地が利用できないことは置いといて、昔地元有力者の邸宅が近くにあった、という事実が頭に残りました。

 

過去にはお寺があって、後に小学校用地になり、近くに昔の地元有力者の邸宅があった。そして、ここだけハザードマップ上の危険性がない。

ここだけ特別な土地に思えました。

これは、自分が納得するのに充分な理由でした。元々、100%満足できる土地はないですから。

その後、発掘調査でも何も出てこず、晴れて土地が利用できることになりました。

その土地の画像がこちらです。

森側の雰囲気がこちら↓

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山の羨望が眺められるのがこちら↓
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こうして、2年に渡る土地探しもめでたく卒業となりました。

土地探しは本当に人それぞれで、なかには10年以上かかる人もいるので、まだ私は2年で済んで恵まれていたのかもしれません。

今、土地探しをしている方、諦めないで下さい。

最後にもう一度、過去のブログの繰り返しになりますが、ログハウスの神様アラン・マッキーの言葉を載せておきます。

 

"ログハウスを置く場所こそ、本当の意味で私たちの家であると思う。建物は人間が長くその場所にとどまるための手段に過ぎないのだ。"