薪ストーブ店を変更しました
画像は長野県小諸市の鐵音工房の薪ストーブです。
コンセプトについて、のブログで紹介したコブのある柱の玄関のログハウス、海賊をモチーフにしたログハウスの中にあります。
この薪ストーブメーカーは、一つ一つ手造りしているようです。いちおう型となるモデルがあるようですが、こちらは完全オリジナルですね。
では本題へ。
たまには現時点でのことも書こうと思い、つい最近の動きを題にしました。
ログハウスには当然薪ストーブも置くのですが、その薪ストーブを買うお店を変更することにしました。
薪ストーブ店についてですが、今までは地元の薪ストーブ店に分離発注するとこにしていました。分離発注とは、薪ストーブだけはログハウスメーカーさんは関係なくこちらでやります、ということです。もちろん無関係とはいかず、設置場所や土台、煙突部分の屋根の施工などで双方で打ち合わせが必要なのですが、両者とも快諾してくれていました。
ところが・・・
ある事実が発覚しまして。
その地元の薪ストーブメーカーさんは住宅建設も行っているのですが、自分が建てる土地の横にその薪ストーブメーカーさんの建築で家が建つことになりました。
それを知った時は、なにかと縁があるものだなぁ、どんな家になるのかなぁ、くらいにしか思っていませんでしたが、その後知人がその家の完成見学会に行ったというのです。そして私がすでに買った隣の土地を、完成見学会の駐車場として使っていたよ、と。
こちらは完成見学会のことは事後に知ったのですが、駐車場として勝手に利用していたことは知りませんでした。
地元では評判もよく、実績も充分で、信頼できる薪ストーブ店だと思ったのですが・・・
隣の土地が空いていて駐車場として利用したかったら、土地の所有者を調べて、事前に許可を取るのは当然だと思います。
山間地の田舎だからしょうがないのかなぁ、と自分を納得させようともしましたが、今後もネガティブな感情を引きずりそうだったので辞めました。
ログハウスメーカーC社にストーブも今からお願い出来る?と聞くと、大丈夫とのこと。
むしろその方がやりやすいので、うちでやってもらえないか打診しようとしていたところだったそうです。
薪ストーブ店は、薪のつてとその後のメンテナンスも考えて地元でと思っていたのですが、元々メンテナンスは自分でやるつもりで、頼んでも1、2回かなぁ、と思っていたので、そこまで地元にこだわらなくてもいいと思えてきました。
ほとんどの薪ストーブは海外製なので、国産でなければ、取り扱いがあるお店は複数の選択肢があります。
妻の影響でホリエモンの本を読んでから、決断の早さ、実行する早さを磨いていきたいと思っていますが、今回はいい経験になりました。
これからマイホーム建築を進めていく方々も、小さなことも妥協せず、いい家造りをしてくださいね。
コンセプトについて
画像は長野県某所で見かけて突撃訪問したログハウス。逆光で見づらくてスイマセン。
一階の基礎には石が貼られ、木が這うように取り付けられていて、後から施主さんがアレンジしたであろう造作が唯一無二の存在感です。
聞いてみると栃木県B社が建てたもので、太いログ材8段組みで出来ています。"太いワイルドなログハウスならB社でしょ?"とのこと。
中に入れなかったのが残念でした。
ちなみにこのログハウスはかなり大きな地震の被害があった地域に建っています。もちろんログハウスはびくともしませんでした。
では、本題へ。
今回は、ログハウス建築のコンセプトについてです。
C社の建築実例を見せてもらい始めた頃、それらが個性的過ぎて憧れるとともに、自分もそれらに負けない個性的なログハウスを建てたいと思うようになりました。
しかし、その後長く住むことになるであろう大切な家。奇をてらった物ではなく、快適に過ごせて、使い勝手が良い事も大切です。
そこで!
マイホームとしてのログハウスのコンセプトを考えて、整理しておくことにしました。
当時はまだC社とも契約前で、土地探しをしている段階です。これから、いろんな事が決まっていくに従って、迷う事もあるかと思いますが、自分の中でブレない所というか、原点回帰できる所があると良いと思ったのです。
また、これはC社だから出来る事ですが、ハンドカットのフルログの中でもテイストを選べます。フルログの中でもどんなのがいいですか?と。
他のメーカーは、どの建築実例も似たテイストになっている場合が多いです。
だから自分のログハウスのテイストを決めるに当たって、自分の好み、コンセプトなどを整理することにしました。
ちなみにログハウスをたくさん見ている人は分かると思いますが、ハンドカットのフルログでもメーカーごとに個性が出ます。特に、樹種がどの建物も同じとか、そのメーカーおすすめの構造があって建築実例に多く採用されてるとかで、おおよそこのメーカーの建築かな?と分かって来ます。細かな板金処理、破風なども特徴がよく出ます。
例えば栃木県B社↓
太いログ材でおおむね8段で組むのが標準のようです。
また、左右対象の構造にして、真ん中のリビングは外に三角に飛び出していることが多いです。
お金持ちの人が別荘に選ぶと良いかな?
次は群馬県N工業↓
ここはログ材はダグラスファーのみのようです。ログ材の中心の方は色が濃く、赤っぽくなっています。国産材のスギも同じような色ですが、この赤い部分が水や虫に強いです。また、そのログ材の上に塗料を塗って、テカテカ感があります。屋根もほぼ一辺倒、大屋根とは別に真ん中の玄関に小屋根をかけるスタイルです。これは私もいいと思って採用しました。
次は三重県K社↓
テーパーがきつく、丸太の太い細いを交互に積むので余計にそれが際立ちます。また、妻壁(二階の三角形部分の壁)をログ壁より外に出す(このメーカーはこの構造をオーバーハングと読んでます)のが特徴です。妻壁がある面は屋根が高く雨に濡れやすいので、妻壁を外側に出すことでその下のログ壁を雨から守っています。
ちなみに屋根が下がっている方の面(画像だと太陽光パネルが付いている面)は、屋根が下まであるお陰でログ壁が雨に濡れにくいですが、それでもさらに桁を外に出して雨に濡れにくくする事があります。この構造はアウトリガーと言いますが、アウトリガーは私も採用しました。
この3社だけ比べても、ハンドカットログハウスでもテイストが違う、という事がお分かりいただけたと思います。
では私が建築を依頼するC社はこんな感じです。↓
ログ材としては良くないとされている、デコボコの丸太をあえて使っています
これはオーソドックスな物
玄関部分の柱にコブがある木を使っています。家の中は海賊をテーマにした男の秘密基地という感じになっています。
億を超える豪邸、車庫の上のトラス(妻壁部分の丸太でW型になった所)がカッコいいです。もちろん内部もスゴイです。
建築途中ですが、木の皮を残したまま加工しています。普通は木の皮はむいてしまいます。
ポストアンドビームでも極太!
ここまでくると、C社の建築実例は特徴に共通点がないのが特徴だと言えるかもしれません。従って、コンセプトを明確にしておく事はますます重要になって来ます。今まで進めてきた中でも、何度か振り返りました。
コンセプト
・本物志向
ログハウスの原点に立ち帰る。丸太を積んだだけの簡素な小屋で、なるべく自然素材のみを使う。住むのはその場所・その土地。家は器に過ぎない。その土地の自然環境に合った家にする。
・機能美
デザインよりも機能性、耐久性を重視する。必要な機能を満たすための構造を採用した結果、自ずとデザインが決まる。そのデザインはシンプルで普遍的で美しいものとなるハズ。ログ材は不必要に削らない。
・他にも負けない個性を
機能美とは矛盾するかもしれないが、やはり他のログハウスにも負けない個性が一つ欲しい。いい意味での個性・わがままを。樹種にこだわる?平屋にする?アーチカットや階段などの内部造作にこだわる?
・防災
ログハウス自体が火災や地震には強い工法だが、それでも地震にはなるべく強い構造にする。薪と薪ストーブがあれば暖房と料理には困らない。薪のストックは多めに。日頃からなるべく電力に頼らない生活を。
・生活を楽しむ
お金を使って娯楽施設に行くのではなく、日常生活を豊かにする。家や庭の維持・管理もなるべく自分で行う。インテリアも必要となれば自分で作る。家の経年変化も楽しむ。ログの塗料は無色透明な物を使い、外側のみ塗る。内部は無垢のまま。
上記はコンセプトを決めた当時のもので、すでに理由があって変更した所もありますが・・・少々補足を。
本物志向の項目は、当時はハンドカットのフルログしか建てない、マシンカットにするくらいならログハウス自体建てない、と思っていた頃なので、ハンドカット以外本物じゃないでしょ?という皮肉めいた気持ちから書いたものです。しかしその後、アランマッキー著エコロジカル ログビルディングを読んで謙虚になるとともに、この方針は間違ってない、と思えるようになりました。後半部分は上記著書から引用して、後から追加しています。
機能美の項目は、アウトドアブランド、ホグロフスのパンフレットを読んで感銘を受け、それを家にも活かしたいという思いで書きました。(ちなみにそのパンフレットは今は発行されていません。)具体的には、冷暖房効率と動線の短縮のため、なるべく小さな家にする。屋根もシンプルな三角屋根で、ドーマーはなしとする。基礎は高くする。廊下(移動するためだけのスペース)は作らないレイアウトとする。だだっ広いだけのリビングはいらない。どう過ごすのがリラックスできるのかを明確にして、そのためのスペースを確保する。などを考えて平面図・レイアウトを考えました。
他にも負けない個性をの項目は、後日完成時をお楽しみに。
防災の項目は、最近の自然災害頻発を受けてのものです。妻が東日本大震災の後被災地へ行った経験から、被災してもなるべく自分達で生活出来るようにと、考えています。そうするとオール電化はアウトですね。キャンプでテント生活を一週間耐えられるようにしておくといいね、というアドバイスをもらったこともあり、それもたまに実践していきたいと思っています。
生活を楽しむの項目は、みんなで家で過ごす時間が充実したらいいな、という願いから書きました。DIY、畑、家のメンテナンス、薪割りなど子ども達も一緒にやってくれたらいいなぁ、と思っています。ちなみにログ材の塗装はやめて、外部も無塗装とするように、計画は変更しました。実際に約25年、無塗装のログハウスを見たからです。エコロジカル ログビルディングにも書いてありましたが、適した土地をえらび、大きな屋根をかけるなど構造を工夫すれば、ほぼメンテナンスフリーにできる、と。しかし実際は塗料で塗ったものしか見当たらない。高温多湿な日本だから、と諦めるのか。その答えがそこに実物としてありました。それについてはまた別のブログに書きます。
ハンドカットのフルログを検討されている方へ。
あなたはハンドカットのフルログを選んだ時点で満足していませんか?選んだメーカーのテイストに染まっていませんか?そのメーカーのテイストはあなたの好みですか?もう一歩踏み込んで、別のテイストは無いか検討してみませんか?
ハンドカットのフルログでもどんなテイストにするか、コンセプトを明確にすることをオススメします。
金額、銀行ローンについて その②
画像は、私が建築依頼したC社が過去に建てた、個人別荘です。
かなりこだわりのログハウスですが、室内の開口部、屋外のログエンド(丸太を切った木口)が鉛筆みたいに加工してあります。また、室内の丸太のうち一本は動物が彫ってありますね。鉛筆状の所はビーバーカットと言いますが、本当にビーバーがかじった跡がこのようになるのかは知りません。
丸太の端をどう仕上げるかもログハウスを建てる時のこだわりどころですね。私がどうしたかは、後日組み上げの日をお待ち下さい。
では本題へ。
一般的に家を建てる時は、土地があり、建築会社が決まり、お金を工面する必要があります。
そこで今回はお金の話、後半です。
主に銀行ローンについてです。
この件については現在進行形なので、今までのことだけ書いておきます。これからのことも、もちろんその都度書いていきますが。
前回のブログでログハウスの工法別の値段の目安を書きました。そして、一般的な住宅よりも高いので、僕なりの考え方も書きました。これからログハウスを建てる方への応援も含めて書いたつもりです。
そこで・・・
足りないお金はどうするか?
一番いいのは親族を頼ることかと思います。
土地選びでも書いたように、土地を親族から提供してもらうこともあるかと思いますが、その場合住宅に対してもお金を出してもらえることが多いのではないでしょうか?私はそれは期待できないので詳しく知りませんが、今は親族からお金を貰っても、税金(相続税?)がかかる限度額が引き上げられたと聞きましたし。
そうでない場合、銀行からお金を借りることになります。
ここでは今までの自分の理解と違うことがありました。ログハウスではなく一般的な住宅の場合も私と同じようになるのか分かりませんが。
まず私の現時点において、全ての計画は決まっておりません。これはC社のやり方かもしれませんが、ログ材を海外で加工するため、その加工場に事前にスケジュールだけ押さえる、予約みたいなものを入れておくようです。そこに間に合わせるように、ログ材の加工方法のみを先に決めていきます。具体的にはログ材で囲う室内の広さ、窓・玄関・アーチカット(開口部の位置・大きさ、どこをくり抜いて区画と区画を繋ぐか)、大まかなレイアウト、小屋組(2階ロフト部分の柱、棟木、母屋、筋交などの木材部分)などです。キッチン、トイレ、風呂、玄関、扉、電気配線などの詳細はまだ決定していません。
私としては、全ての計画が決まり、全ての金額が決まり、それから銀行に行くものと思っていました。
もちろん、加工が終わってしまうと変更ができない所もあるので、細部も想定しておきますが、その打ち合わせはまだ行ってないので、私が大まかに考えをまとめてあるだけです。
またログハウスの場合、実際の大きさを見てから決めた方がサイズ感が分かりやすいようです。それもあってC社は最初から細部まで決めないようにしているようですが、実際、組み上がった後に内部の変更をする事が多々ある、とC社の方が言っていました。これもログハウス独特のことかもしれませんね。使う木材の太さによって室内の実際の有効面積、有効体積、見た目の圧迫感が変わるということです。ログハウスの平面図、レイアウトを考える時は、広さに余裕を持ってプランニングするのが原則です。
上記のような事情もあって、契約書の金額も大まかなものです。その大まかな金額で銀行のローン事前審査を行い、借りる予定の金額の半分をつなぎ融資で先に貰った状態です。その後、すぐにC社に振り込みました。
つなぎ融資は詳しくは検索していただくとして、簡単に言うと、ローン実行(銀行からお金がもらえる日、と同時に返済が始まる日)が住宅完成時なので、住宅メーカーに先にお金を払う必要がある場合に事前に借りるお金です。もちろんこれには手数料がかかりますが、つなぎ融資無しで建ててくれる住宅メーカーは少ないでしょう。建築途中の補償のこともありますし。
このつなぎ融資も、初めてやる身にとっては不思議なものです。
借りる総額も決まらず、返済期間、利率なども決まってない状態で、4桁万円のお金を事前に借りられる。
今後の返済をどうするか、どのローンにするのかもこれからです。
銀行の方や不動産業界の方には一般的なことみたいですが、銀行の事前審査が大切で、それに通ればほぼ他の事もスムーズにやってくれるようです。
またC社の場合お金の支払い方は、カナダ木材発注時に契約書の総額の1/2、基礎着工時に総額の1/4、上棟時に総額の1/8、完成時に総額の1/8でした。これをその都度、手数料を払ってつなぎ融資してもらうことになります。
以上、今のところまでのお金関連の流れを書きました。
これからという方も、ある程度の流れが分かっていれば、いつ何をやるのか心づもりができますね。参考になれば幸いです。
金額、銀行ローンについて
注目すべきはログ材の太さです。
6段しか積んでない?
屋根と電線で見づらいのですが、確かに6段です。
他のログハウスの画像と比べてみるとよいと思いますが、おおむね10〜12段が普通。太めの物件が多いかな、と思う埼玉県N建設や栃木県B社でも8段です。
これはK社のブログに載ってたので、建築地の市町村名だけは分かっていました。実際どんな建物なのか見たくて、その市町村へ行きウロウロ・・・なかなか見つからず何回か通いましたが、見つけた時は嬉しかったですね。
そしてこの太さが心に残りました。
圧倒的な太さ。
小学校の修学旅行で奈良の大仏を見て、単純に"すげ〜"って言ってた時と同じレベルです。"すげ〜"が"太ってぇ〜"になっただけ。
でも人間も自然界に入れば、昔の生存本能がよみがえり、より大きなもの、より強いものは感覚的に分かるはずです。それが、山や海などの圧倒的なスケールになると、自分の小ささを知り、謙虚になり、やがて信仰心にまで発展することもあるでしょう。山岳信仰の原点はまさにこれなのではないでしょうか?
では本題へ。
一般的に家を建てるには、土地があり、建築業者が決まり、お金を工面する必要があります。
そこで今回はお金についてです。
主にログハウスを建てるのにかかるお金と、銀行ローンについて書きます。
ログハウスを建てるには、いくらお金がかかるのでしょうか?
もちろんそのログハウスの立地、計画、仕様によってピンキリなのですが、おおよその目安があります。
愛知県Y社にお世話になり、いろいろと建築実例を見せてもらっていた頃にもらった資料の中に、金額の目安が書いてあるものがありました。
その資料は今はもう無いのですが、記憶を辿ると・・・
マシンカットログハウスは2500〜3500万円
ポストアンドビームは3000〜4000万円
ハンドカットログハウスは3500〜4500万円
くらいだったと思います。
記憶の正確性への自信具合として、工法ごとの金額順はこの通りで間違いありません。また、ハンドカットログハウスの最低価格もこれで自信あります。なにしろハンドカットログハウスしか興味無かったので、ほぼそこしか見てなかったので。
また金額の目安としては、夢丸のバックナンバーを見てもらうのもかなり参考になります。
ただし、ここには総額で載っていない可能性があります。内訳の分け方が夢丸流に統一されているので、その内訳に該当しない費用が省略されているのです。土地造成費用などは入ってません。都市部の分譲地なら考えられないことですが、ポツンと一軒家的に田舎の山の斜面や、原野の森の中に建てるような場合、土地造成にかなり費用がかかります。あと、水道管を引くのも高いです。電線を引くのは電力会社がやってくれますが。私が依頼したC社の方も、"夢丸のあの物件は金額おかしいよね。あんなに安く済むハズないんだけどなぁ。"と言ってたことがあります。
余談ですが土地を選ぶ時は、造成費用と、上下水道を引くのにかかる費用も確認しておくとよいでしょう。分譲地は全て揃った上での金額ですが、分譲地でない場合は注意が必要です。上水道は、ログハウスを建てるような田舎の場合、本管が埋まっている道路から土地までの距離が短い方がいいです。遠い場合はその分費用がかさみます。下水道は整備されていることは少なく、ほぼ浄化槽になるでしょう。浄化槽については設置費用に補助が出る自治体が多いようです。
ちなみに私の土地は田んぼを宅地にした所を含みますが、不動産会社が開発計画を立てて、農地転用し、造成・上下水道整備を終えた後に販売していましたので、都市部の分譲地並みに条件がよく、すぐに建物が建てられる状態での金額でした。追加費用の発生はほぼ無い状態です。地盤調査の結果がどう出るかが心配でしたが、河岸段丘の一番上・山際にあたる場所なので、むかし川に削られてから風雨に晒されて、ある程度固い地盤になっているだろうと想定していました。現在の川はかなり離れて、標高で見てもかなり下を流れており、山際から川が離れて現在の位置になるまでかなりの年月を要するだろう、と。土砂災害で上に柔らかい土が乗っている可能性も考えましたが、地盤調査で強度が出たことで安心しました。
ちなみに前に田んぼとして使っていたことは地盤強度にほぼ影響はないです。実際に私の土地でも強度が出てますし、不動産会社や建築業者の方々も同じ見解でした。"土地の表面から深さ1mくらいの話だし"という具合です。
この脱線話は土地選びのブログで書いた方がよい内容でしたね。
金額について話を戻しますが、ログハウスを建てる時は、やはり相応のお金が必要です。はっきり言って、一般住宅よりは高いです。その中でもハンドカットを選べば尚更です。
ここで、"うちは無理だ。そんなお金出せないし。"と諦めてしまうのは簡単です。
私も一サラリーマンの身、このブログを読んでいる大部分の方々と経済状況は大差ないでしょう。
しかし、ログハウスは建てられます!
そもそも人間なんて単純なもので、必要だと思う物には結構なお金を出すものです。趣味の物、旅行費用、車など、自分が価値を認めた物なら高くても買っているハズです。私の場合、その出費先が家だっただけのこと。その後の暮らしを考えた時、自分の心が豊かになると思えたので自分のお金を優先的に家に割り振っただけです。不足しているお金は銀行で借りて、それでも足りなければDIYで、と割り切っています。
ようは、本気でログハウスが建てたいのかどうか。
お金の面で、私も不安が無い訳ではありません。
しかし上記のような考え方ができるかどうか、性格的なこともあるかもしれませんが、後押ししてくれた2つの言葉をご紹介します。
"諦めたらそこで試合終了だよ。"
小中学生の時スラムダンクに影響を受けて、毎日バスケをしていた時期がありました。本気でバスケをし、毎日努力をしても超えられない壁がある。とてもいい言葉で、たまに引用されるのですが、自分がそういう心理状態の時だと響き方が違う。本気でログハウスを建てたいと思っている方なら、この言葉が響くハズです。
もう一つはこのブログで何度も触れている本、エコロジカル ログビルディングからです。
"思い描く家を実現するにはもちろん予算というものがついてまわるが、自分がどうしたいのかをはっきり決めて、それに合わせて予算を組む。予算に合わせて夢を削っていくのではない。"
これは細かい説明不要ですね。
この本自体がセルフビルダーへの応援メッセージみたいなものですが、最後の一文にはやられました。
逆に、これでも諦める気が起きるなら、そのまま諦めた方がいいでしょう。きっと、建てた後にも後悔するに違いないです。
よく聞く話が、ハンドカットで検討していたけれど、予算が厳しいからマシンカットにしました、っていう話。
最低価格で価格差1000万円。
それでハンドカットを諦められるのですね。そういう方はマシンカットで正解かもしれません。おそらくメンテナンスも楽になって良かった、と内心は安心していることでしょう。
私は"その1000万円分、DIYしますので、建築途中でもそのまま置いといて下さい。"と思っています。
少し辛口になってしまいましたが、後半は銀行ローンについて書きます。
次のブログに移ります。
セルフビルドについて
ログ壁の高さを見れば、まだ途中なのがお分かり頂けるかと思います。
なかなか見られない貴重な場面です。
ハンドカットフルログの建築自体も少ないですが、現地で組むのは2日くらいで終わってしまうため、途中経過はタイミングが合わないとなかなか見る事が出来ません。
自分の家のログ材が組み上げられる日が楽しみです。
では本題へ。
今回はセルフビルドについてです。
一般的に家を建てるには、土地があり、建築会社が決まり、お金を工面する必要があります。
しかし建築会社に頼まずに自分で建てる、セルフビルドという道もあります。
自分の家を自分で建てる?
ログハウスについて知るまでは考えたこともないことでした。
ですが、実際ログハウスをセルフビルドした方のお宅に上がらせてもらったことがあります。
いろいろな話を聞いて、建築時の夢と情熱に満ちた日々は素晴らしいと思いました。ご本人は、若くて体力があったからできたんだよ〜と謙遜されてましたが。
まさしくアラン・マッキー著、エコロジカル ログビルディングの世界です。
そしてセルフビルドを選んだ理由が、安く済むから。メーカーに頼むなんて、とんでもない。そんな大金、うちにはありません、と。
特に昔のバブルのころは、お金持ちの方しか相手にしない、横柄な態度のログハウス建築業者もいたようです。
それでも諦めきれない方はセルフビルドの道を模索し、実行したのでしょう。
たまに耳にするのですが、"ログハウスって自分で建てれば安くなるんですよね?"
確かに安くはなります。
でも、かなりの時間を要します。
かなりの体力も要します。
それ以上に、ログハウスに対する情熱と忍耐力を要します。
だから、前述のエコロジカル ログビルディングという本は、セルフビルダーに対しての強烈な応援を至る所に記述している訳ですが。
実際私が話を伺ったセルフビルドされた方は、ある程度貯金が出来た段階で仕事を辞め、全ての時間と労力と情熱をログハウスに向けて、ようやく2年かかって完成させたそうです。
これはこれで素晴らしいことですが、現実的にここまでできる人はなかなか居ないのではないかと思います。
実際、ログハウス建築をセルフビルドすることを決意し、やり始めたものの、途中で辞めてしまった例も聞きました。
また、完全なるセルフビルドは現実的には不可能です。
基礎、電気、水道の施工は資格がいるので、それらを無しにするか、資格を取ってからセルフビルドすることになります。そうすると、その資格を取るためにお金と時間がかかります。
そうでなければ、それらは業者に依頼し、出来るところだけセルフビルドすることになります(それをハーフビルドと呼ぶこともあります)。
昔のログハウスは完全なるセルフビルドで、その場で切って、加工して、組み上げていたのでしょうが、現代の家としてのログハウスを建築する場合、このハーフビルドが一番現実的かなと思います。
出来る所は自分でやる、という気持ち。
自分で建築に関わることで家への愛着も湧きます。
いまある多くのログハウスメーカーはハーフビルドに前向きで、申し出ればやらせてくれるでしょう。
主にログ壁の木材保護塗料を塗る作業(うちはやりませんが)、室内家具や収納のDIY、ウッドデッキのDIYなどがハーフビルドとして関わる作業として行われているようです。
これらは施主さんがどれだけできるかによりますので、個人差が大きいです。
上記の、自分で建てれば安くなるんですよね?と聞いてくる方は、ホームセンターの小屋レベルの話を、ログハウスにも当てはめているのかもしれません。キットになっていて、説明書どおり組み立てるだけ。
でも実際のログハウスは違います。
ログハウスが高いのには理由があります。
ホームセンターで売ってる小屋キットが安いのにも理由があります。
そのあたりは、お金に関係してくるので、お金の工面と銀行ローンについてのブログで書きます。
土地選びについて③
画像は、某社のログハウス加工場です。丸太が置いてあるだけですが・・・
このブログを読んでいる人なら、この写真だけでワクワクできますよね?
雪をかぶっても気にしない、気にしない!
では、本題です。
土地選びをどのように進めたかというと・・・
とてもシンプル。
羨望第一。山が綺麗に見えるところ。
人間が行動する時、動機はいつも単純なものです。
なんだかんだ言っても、山が好き。
それが土地探しの第一条件でした。
景色を楽しみながらドライブして、周辺の地形と、景色の見え方を把握しました。しだいにこの地域の山の見え方が分かってきます。その中でお気に入りの山が出てきました。日の出、朝焼け、夕焼け、日の入り、月明かり、それぞれの時間帯での見え方を比べたりもしました。雪が降った時に、山がどう雪化粧するかも考慮しました。
しかし景色が気に入っても売地があるとは限りませんので、売地の情報をネットで見ながら巡る日々が一年くらい続きました。
ちなみにネットで検索して出てくる情報は、基本的には売れ残りなので注意が必要です。売れずに残っている理由が何かある、と思った方がいいです。
もちろん地元の不動産業者にも手当たり次第連絡しました。希望の土地物件が無ければ、新着物件で希望に近いものがあれば連絡してもらうようにお願いしておきます。
ちなみに不動産業者への対応はこれで満足してはいけません。先日のブログにも書いたとおり、いわば田舎の業者。都会のうるさいくらいの営業とはうってかわって、何も連絡がありません。頼んでおいたからいずれ連絡をくれるだろう、という期待感は見事に打ち砕かれます。いっさい音沙汰なしなので一ヶ月くらいして電話してみると、あなたどちら様でした?・・・
田舎で不動産業者を介して土地を探すなら、週一回くらいはこちらから電話を入れましょう。そうしないと忘れ去られて終わりです。
また週一回の電話で、土地物件を定期的に取り引きしている業者と、たまにしか取り引きしていない業者が見えてきます。
中には兼業でやっている方もいるので、事務所に行くと、"田んぼにいるのでこちらまで電話を"と携帯電話の番号が張り紙してあることも。
村に不動産業者が無いからと、村から依頼されてガソリンスタンド兼不動産業者という方もいました。ガソリン臭い事務所の中で土地物件の資料を見せてもらったのも、いい思い出です。
そうこうしていると、"この土地、まだネットに出してないけど、どう?"とか、"今からネットに出すから見てみて"という連絡が来るようになりました。
そうしてたまに、これは!と思う物件が出てきても、実際見に行ってみると、うーん、これはちょっと・・・という事が続き、なかなか思いどおりの土地は見つかりませんでした。
もちろん、こちらも常に動き続けています。
土地だけで探していたのを方向転換して、建物が残っている売り家としての物件も当たってみました。取り壊し費用込みでどうかな、敷地が広ければ今ある建物の横に建ててもいいかな、などといろいろ検討しました。また、ハザードマップ的にNGでしょ、というところも見たりしました。
その後、私が購入した土地物件が見つかった経緯は次のとおりです。
山間地に移住し、土地探しも2年経とうとするころ、今まで連絡した事が無かった業者がネットで公表していた売り家が気になって、見に行ってみることにしました。
その家自体も魅力的で、築100年くらいの雰囲気ある古民家でした。その家は残して、改造して、みんなで集まれる場所にするといいかもね〜などと言いながら、そこ以外の敷地内にログハウスが建てられそうか考えていました。敷地内に適度に残っている木々も魅力的でした。木が成長するのはゆっくりなので、庭に木が欲しい場合、すでに木が生えている土地を選ぶしかないので。
そしてある程度ひと段落した時、その不動産業者さんが一言、"今から売り出す土地があるから、良かったら見るだけでもいかがですか?"
時間もあるし、まあとりあえず見るだけなら・・・とついて行きました。
そこは山の羨望は抜群で、広さも充分でした。そして、ひと区画挟んで隣は山の斜面で、木々がたくさん残っていました。土地の中に木々が無くても、これを借景すればいいかな?というアイデアも浮かびました。
一方は山の景色が堪能でき、反対側は森の中のような景色が借景できる。今までにない土地でした。景色のよい開けた所のログハウスと、森の中に建っているログハウスが両立できる。
そう考えた時、もう気持ちはここに決まっていました。
もちろん、今まで土地選びについてブログに書いてきたことも確認しました。
ひとつ気になるのは、ハザードマップ的にどうなの?ということ。
山の斜面が近いので、土砂災害警戒区域かもしれないし、もともとこの辺りは断層が走ってたハズ・・・
あとから確認すると、この土地だけは土砂災害警戒区域から外れていました。周りはそれに指定されていて、見事にこの土地付近だけすっぽりと外れていました。まあ実際は、災害級の雨が降ったら周りは土砂崩れの危険性があるので、ここも覚悟はしておいたほうがいいでしょう。
また断層も、この土地の付近だけ見事にそれていました。
山沿いに辿れば、同じような条件の土地はあるでしょう。この地域の地形もさんざんドライブして把握していたので、それは分かっていましたが、ハザードマップを見て土砂災害警戒区域と断層があったので、この辺りは最初から検討から外している地域でした。しかし細かく見ると、この土地付近だけはハザードマップ的にOKだったのです。
それもそのはず、過去にはこの土地辺りにお寺があった時代があり、その後は小学校用地として管理されていたのでした。(その時の不動産業者さん情報です、後に購入の際にこの情報が正しいことの確認が取れました)
また購入にあたっては、ひとつ条件付きでした。"昔の地元有力者の邸宅が近くにあったので、土地を整備する前に遺跡発掘調査が入ります。何か発掘されれば、土地が利用できないこともあります。"とのこと。
遺跡発掘調査?
そんな事があるの?という感じでしたが、土地が利用できないことは置いといて、昔地元有力者の邸宅が近くにあった、という事実が頭に残りました。
過去にはお寺があって、後に小学校用地になり、近くに昔の地元有力者の邸宅があった。そして、ここだけハザードマップ上の危険性がない。
ここだけ特別な土地に思えました。
これは、自分が納得するのに充分な理由でした。元々、100%満足できる土地はないですから。
その後、発掘調査でも何も出てこず、晴れて土地が利用できることになりました。
その土地の画像がこちらです。
森側の雰囲気がこちら↓
山の羨望が眺められるのがこちら↓
こうして、2年に渡る土地探しもめでたく卒業となりました。
土地探しは本当に人それぞれで、なかには10年以上かかる人もいるので、まだ私は2年で済んで恵まれていたのかもしれません。
今、土地探しをしている方、諦めないで下さい。
最後にもう一度、過去のブログの繰り返しになりますが、ログハウスの神様アラン・マッキーの言葉を載せておきます。
"ログハウスを置く場所こそ、本当の意味で私たちの家であると思う。建物は人間が長くその場所にとどまるための手段に過ぎないのだ。"
土地選びについて②
画像は少しデザインを施したアーチカット。その上部には、彫り物のアート作品があります。このログハウスは億を超える豪邸ですが・・・細部まで抜かりないですね。
では続きです。
私の場合ログハウスを建てることが目標なので、それに伴い土地に求める条件も多くありました。その条件は、先述した人工的な要素はもちろんのこと、自然環境要素も重視しました。また、ログハウスについて知識を得るとともに発生する条件もありました。
そこでおおいに参考になったのが、アラン・マッキー著、"エコロジカル ログビルディング" という本でした。
この本はおおむね、ログハウスを自分で建てる人のための心得を説いたものです。"誰でも、いつでも、年齢・体力は問わず、ログハウスは一人で建てることが出来る。"と。
また、その内容は加工方法のみならず、土地を選ぶ時、樹種を選ぶ時、間取りを考える時なども非常に参考になるものでした。
ここでは、土地選びに関連する項目だけを抜き出しておくと(原文そのままではない)、
①ログハウスを建てる場所は風が強くなく、日光から保護され、湿気が少なく、カビが生えない程度の風通しがよい場所を選ぶべきである。
②ログハウスを置く場所こそ、本当の意味で私たちの家であると思う。建物は人間が長くその場所にとどまるための手段に過ぎないのだ。
③建築場所を選んだ第一の理由は何か?人によって様々だが、その理由が何であれ、計画を進める上でその理由が中心に置かれるべきである。
④敷地内での建物の位置は、土地への影響、景観、日光、出入りのしやすさを考えて決める。
⑤もしできるなら、季節の変化に対応できるように、一年以上かけてそこへ通い、計画を練る。太陽の軌道、特に夏至と冬至の太陽の高さを把握し、建物が日光を最も有効に使えるようにする。
⑥どの景色が自分にとって大事なのかを決め、家の位置を決める時に考慮する。横方向だけでなく、縦方向の眺めも考えてみる。
⑦建築地については、敷地内についてよく知っておく必要がある。土壌、木の位置、細かな傾斜、そこから見える景色、日光の当たり具合などである。
さらに、これ以外にも考慮したのは、ハザードマップ(地震、洪水、浸水、土砂崩れなど)、活火山の位置、地盤の良し悪し、標高地図、断層地図、風配図などです。
風配図はある地点でのある一定期間の風について、平均して風が吹いてくる方向と風の強さが分かります。環境省のホームページから見ることができます。
ちなみに私が検討している地域は年間を通して平均すると、北風が弱く吹いている、ということが分かりました。夏はこれを取り入れて涼しく過ごし、冬はこれを遮って暖かく過ごす工夫がいる、という事が分かりました。
では、実際にどのように土地選びを進めていったのかというと・・・
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