ハンドカットログハウス建築日記

HAKUGINは静かに暮らしたい

ハンドカットログハウス建築&日記

土地選びについて①

f:id:HAKUGIN:20200116062044j:image

画像はシンプルなアーチカット。

初めて通る人は、くぐった先に何があるのかな?と探検気分になりますね。

 

 

では本題へ

 

一般的にマイホームを建築するには、建てる土地があり、メーカーまたは建築会社が決まり、お金を工面する必要があります。

そこで今回は土地選び・購入についてです。(依頼せずにセルフビルド、銀行ローンについては、また別ブログに書きたいと思います。)

 

 

家を建てる時、土地はどのように決まるのでしょうか?

 

田舎ならば、親が "隣(または近く)の土地が空いてるから建てな" といった具合で、土地を選ぶ・購入するということは、あまりないようです。

また、農地や景観を守るという意味で規制が厳しいです。宅地に隣接した農地しか農地転用が認められません(農家さんは除く)。広い田んぼの中にポツンと、という場合は農家さんの家です。高齢化、後継者不足、行政主導での宅地確保などで田んぼを宅地にすることがありますが、そこを分割して売るので一軒家が集まっている地域ができます。そこは都市部の過密状態となんら変わりません。(余談ですが田舎では、このような一軒家密集地域を"団地"と呼びます。都市部で言う、マンションやアパートや集合住宅とは違うんですね。)

都会であれば、駅から近いか?職場、買い物、病院、子供の学校などへの交通の便は?などを考えると思います。

また、都市部で建売住宅を購入すれば家と土地がコミコミなので、全てを形ある状態で見て判断できます。

そこには人工的な要素しかありません。しかし、ナショジオで環境問題、都市問題、人口問題、エネルギー問題、食料問題などを知った今、都市計画や、都市部に人口を集中させることは批判できません。その方が効率よくたくさんの人間が暮らすことができ、都市部以外をむやみに開発しなくて済むからです。インフラも行き届きやすく、少ない負担で便利な生活がおくれるでしょう。現在の世界の人口を、地球に負担をかけること無く養うには、人が住むところ(都市部)と自然を残すところを分ける必要があるのです。しかも、世界の人口はまだまだ増え続けています。

日本での状況を見れば、人口に対する土地の割合が少なく、また平地が少ないため、都市部の平地に人々の棲み家が自然と集中しやすくなっています。

しかし自然素材をふんだんに使って建てるログハウス、できれば街中は避けて、森の中に↓

f:id:HAKUGIN:20200117063548j:image

または、ひらけた丘陵地帯にポツンと(画像なくてスイマセン)、

または湖のほとりに↓

f:id:HAKUGIN:20200117064425j:image

というイメージが合ってますよね?

これからの日本は人口が減少していくので、過密状態は緩和されると思います。今でもIT技術の進歩やamazonで田舎でも便利な生活が送れるようになってきていますが、自分が生きている間にももっともっと便利になっていくと思うので、私は山間地を選びました。

ナショジオから受けた影響もあり、山間地を選ぶことは、今世界規模で起きている色々な問題を知っていながらそれらに加担することになるのではないか、とも考えました。

私の大好きな人に、登山家の野口健さんがいます。野口健さんの著書の中に、心に残るフレーズがありました。"知るということは、背負うこと。"  野口健さんはエベレストに登った時、登山隊が残していったゴミが放置されたままの現状を知り、他の登山家のように無視はせず、その問題を背負いました。そこからエベレスト清掃登山、富士山清掃登山、環境問題へと活動の内容を変えていかれたのです。私はというと、ナショジオでいろいろな問題を知りながら、背負っていくのか、無視するのか、葛藤もありました。

それでも山間地を選んだのは、やはりログハウスという特殊な工法のためでした。地球が育んでくれた木材、どうせ使うなら長持ちさせたい。長く使うことが、その後の無駄な資源の浪費を防ぐことになる。そのためには建てる場所の環境が大切になる。具体的には地盤が安定し、水はけがよく、湿度は低く、気温は低く、風通しがよい。従って、高温多湿な日本のなかで、山間地の方が合っていたのです。

 

 

 

どこに住むか。

 

 

それ自体にこだわりを持って選ぶことは、とても贅沢であり、自由であり、楽しいことです。

土地を選ぶ、ということ自体多くの方が気にしない場合が多いなかで、その楽しみを味わえることはいい経験でした。

上記のような考えも深まりましたし、土地探しをしている間にも起こる、台風、地震、土砂災害、河川の氾濫など、自然災害への備えも含めて考えるようになりました。

ちなみに夢丸を見ていると、ログハウスというこだわりの建物を選ぶ方々なので、土地探しに時間がかかる場合が多いようです。

また図書館で、土地を選ぶ・購入する、という目線で知識を得ようと本を探しましたが、ハウツー本みたいな物は無かったですね。やはりニーズが無いからなのでしょうか。村の図書館が小さいからでしょうか?(笑)  不動産業界がこれらの本の出版を制限してるのか、とも思いましたね。

 

長くなってきたので、続きはその②に書きます。

メーカー選び 番外編

f:id:HAKUGIN:20200115071753j:image

ログハウスと薪ストーブ、鉄板の組み合わせですね。

ログハウスはログ材自体が蓄熱性があるので、薪ストーブとの相性がよく、一度暖まると在来工法よりは冷めにくいです。

画像は岐阜県明野高原にあるハンドカットフルログの貸別荘、ゆがふ。

ログハウスと薪ストーブ、本当に暖かいのか?それを体感するために泊まってみました。結果は普通・・・一晩ではログハウス全体が暖まりきらなかった感じですね。連泊すればよかった。

 

 

今回は、メーカー選び 番外編です。

 

テーマは家族間での意見の違いについて。

今までのブログで、メーカー選びについて書いてきましたが、これらは全て私一人の意見。家は家族みんなで使うものなので、独りよがりではいけません。

私はいろいろ迷ったあげく、C社が希望。

いっぽう奥様は埼玉県N建設推し。

こちらは夢丸常連で、妻が私の誕生日祝いにとメーカー資料請求してくれました。(もしかしたら、自分が希望する会社を検討させようとしたのかな?)

プレゼントになってないじゃん・・・

電話しただけじゃん・・・

とは口が裂けても言えず、ありがとうとニッコリ笑って受け取ると、メーカーパンフレットが意外といいじゃないですか。

こちらはログハウスを"綺麗に"作る会社です。よって、マシンカット、カントリーハウスと呼んでる在来工法が得意かな、と思います。

また、キッチンと洗面台は自作がほぼ標準で、これまたお洒落に作りますので、これはこれでかなり魅力的です。

ログハウスを取り扱う前から材木屋もやってる会社なので、ハンドカットもできますが、ハンドカットは外材でダグラスファーのみ使っているようです。太めで、テーパーが少ない材を使い、ハンドカットもなるべく綺麗に組み上げる。

自然素材なので、木材の太さがなるべく均一に、曲がらず真っ直ぐ育つのは難しいです。ですが、なるべくそういう材をログハウスに使った方がいいことも確かです。

N建設はそういったログ材の選別もこだわってやるので、施工がしっかりしているのかと思いきや、建てた人のブログ(アメブロで検索してみて下さい)を見てると雨漏りがひどい。

さらに、お風呂はユニットバスしか使わせてくれない。水漏れしないよう安全策をとって、ということですが、この方がハンドカットログハウスに合うと思いませんか? ↓

f:id:HAKUGIN:20200115123451j:image

 

従って、私の説得でC社になりました。

妻はログハウスに住みたいけれど、建築自体にはあまり興味がなく、説得にはそこまで苦労しなかったのが幸いでした。

そこが一番苦労する、という方もいるかもしれませんが、それは家庭内の問題なので言及せずにおきます。ただし、その後も家族と仲良く楽しく暮らせるよう、上手く解決して下さいね。

メーカー選び⑤

f:id:HAKUGIN:20200112061336p:image

"北の国から"を見て、ログハウスに憧れました。

たまに聞くフレーズです。北の国からを見たことがなかったので以前調べてみたことがありました。自然の中に溶け込むような感じで魅力的ですね。

 

 

では本題へ。

メーカー選びのブログがこんなに長くなるとは自分でも思いませんでしたが、もう少しお付き合い下さい。

 

 

方向性は決まりました。

国産材ヒノキのハンドカットフルログを国内加工で。

 

これには私の環境への配慮という意味もあります。

主にハンドカットならカナダ、マシンカットならフィンランドから加工済みログ材を船便で運んで来る。日本にも木材はあり、ログビルダーさんもいるのに、そこまでする必要があるのかな、と。お金と石油を使って。

また、夢丸よりも先に定期購読し始めたナショナルジオグラフィック(通称ナショジオ)により、目線がワールドワイドになっていたこともあります。誌上で環境問題もよく取り上げられますし。

さらに国内加工だと、加工段階から全て見られるメリットもあります。

よって当時、K社が最有力候補でした。

 

しかし、夢丸でひときわ存在感のあるメーカーが気になり始めました。

それが軽井沢C社です。

ほぼハンドカットフルログのみを建てていて、そのどれもが超個性的でした。

こんなのや↓

f:id:HAKUGIN:20200115064351j:image

こんなのや↓
f:id:HAKUGIN:20200114072332j:image

ポストアンドビームでも、こんなの見たことありません↓
f:id:HAKUGIN:20200114072325j:image

C社に連絡して軽井沢近辺の建築実例を見せてもらい、ますます魅力的に思えました。

また、この直後に山間地への移住も決まり、K社がある三重県松阪市から遠くなってしまいました。

また後日気付いていくのですが、C社の建築実例と比べるとK社はログ材のテーパーがきつい・・・テーパーとは木の根本側と先端側の太さの差のこと。テーパーが少ない方が良いログ材となります。もともとC社が太いログ材を使うことが普通なのですが、やはり比べると太いほうがいいな、と思います。

K社の建築実例の画像を見れば一目瞭然ですね。太い細いが交互に重ねられています。↓

f:id:HAKUGIN:20200115065045j:image

再度、C社の建築実例を見せてもらいに行き、その時点での希望を伝えると、"うちでも出来ますよ。"  と。C社は外材のみと思っていたのが、国産材ヒノキを国内加工でできる、というのです。

長年の業界経験から、在来工法もたまに建築しており、その時はヒノキをよく使うので、ヒノキ丸太を仕入れられる当てはある、とのこと。(ちなみに国内の林業は、山で丸太を刈って麓に下ろす時に、4mに切って運びやすくするのが一般的。ログハウスに使うような12m材は、林業関係者につてが、もしくは定期的な取引があって、事前に頼んでおかないと残りません。また、運び出すのも大変な苦労です。)

ちなみにC社では、在来工法で関わった施工例やログハウス部分の加工だけ請け負って他社へ卸した場合は、自社の実積としていないようです。それらも含めると、C社の建築実績は今まで何棟なのか、もはや分からないのだそうです。他の会社でログハウスも取り扱っている、というところの一部は、国内のログハウス専門メーカーに委託してログハウス部分のみを外注し、それ以外は自社で施工する、といったやり方が多々あります。C社はログハウス専門で外注される側ですが、バブルのころは特にそのやり方が多かったようです。そのようなやり方では、その会社のログハウスに対する経験値が高まりません。バブル期の別荘ブームに乗って、売れる物を扱いたかっただけで、ブームが去れば即手放しました。バブル崩壊から久しい今は、そのような会社は淘汰され、もしくはログハウス事業から撤退して、ログハウスに情熱をかけて仕事をされている会社のみが残ったので、ある意味恵まれており、ハズレが少ないとも言えます。バブルの頃に建てて、今は建築会社はもう無いんだよね、というオーナーさんにも何人かお話を聞きましたが、皆さん一様に悲しそうでした。そして、そのようなノウハウを持たない会社の建てたログハウスは、ログハウス部分以外がお粗末で、気候に合わせた工夫もなく、アフターフォローやメンテナンスもないことから、経年とともにどんどん廃れていき、"ログハウスは所詮山小屋の延長だ"  "すぐに腐ってしまう"などの悪評が、ログハウス全体を一括りにして広がってしまった感があります。

 

恒例の脱線から戻ると、C社は日本のログビルダーさんの知り合いも多く、国内加工もできることが分かりました。そのログビルダーさんの経歴も確認して、経験十分と思われましたので、C社で決まりです。

このような冷静な判断も頭の片隅にはありましたが、一番の決め手はなによりもワクワク感が大きかったです。夢丸で見ていた超個性的なログハウスを建てているC社。そこでどんなログハウスを建てることができるのか、楽しみしかありません。また、C社の方に言われたのが、"まだ若くして家を建てるのだから、やりたい事を詰め込んだほうがいいですよ。"  と。ログハウスを建てる方がもう少し年齢層が高めなので、それを受けての発言かもしれませんが。平屋でバリアフリーの終の住処を、というよりはまだまだこれから!バリアアリーでしょ!!ログハウスなんだし家にも遊びごころを!!!と言わんばかりで、ワクワク感を煽られました。

 

あーだこーだ言っておいて、結局は一番シンプルな理由で決まりました。

そのメーカーが建てた家にワクワクするか。そのメーカーと家作りをしてワクワク感を感じられそうか。

マイホームを依頼するメーカー選び、人生で一番の買い物と言われますが、意外とこんなものかもしれませんね。

メーカー選び④

f:id:HAKUGIN:20200110060543j:image

ログハウスと雪、この組み合わせが大好きです。雪国の人は屋根から雪が落ちるよう設計しますが、私の場合はこれが見たいので屋根から雪を落としたくない・・・非常識人です。

 

 

では、私がログハウスメーカーを決めるまでを時系列で書いていきます。

 

6年前、妻と知り合う、と同時にログハウス建築を決意しました。

その後、各地にある某B社のログハウス展示場を巡ります。ここでザックリとしたログハウスの知識や夢丸の存在を知り、行けば行くほど知識が増えてとても楽しかったです。よく見ると、丸太のままのと四角いのがあるなぁ、と気付きました。

某B社の展示場はとても楽しいです。無料で入れて、ゆっくり寛いで帰って来るだけで、その日1日楽しかったね、となります。

ちなみに某B社は日本のログハウス業界最大手ですが、実質ハンドカットフルログは取り扱い無しのため、今までこのブログでは触れてきませんでした。

 

結論から言うと、この会社で建てるのはやめておきましょう。

 

一般的な住宅展示場を巡っていて、なんかピンとこないなぁ〜、と言う人が、某B社のログハウス展示場に行ったら、あまりの楽しさに即決でしょう。営業の人が付きまとうこともないし、自由に寛いでいいし、インテリアはセンスいいです。

 

インテリアは・・・

 

 

でも肝心なログハウス自体はどうなの?

 

 

マシンカットを検討されている方も、本当はご自身の足で色々と見て回って、眼を肥やすのがよいと思うのですが・・・

私の本音で書くことを信条としているブログなのであえて書かせてもらうと、私が某B社のログハウスを選ばない理由は、ログ材の横積み部分(ログ壁)がロの字型しかないからです。単純に四角く組むだけ。それによって、構造計算の手間を省き安く仕上げていますので企業努力ではありますが、これではレイアウト・平面図を決めるときにかなり制限が出ます。

また、ログハウスは地震にも強いですが、さらに強い建物にするには内部にもログ壁があった方がいいです。そしてログ交差部分(ノッチ)でログ材を固定するので、ノッチが多い方が強い構造になります。

一般的にログ壁の組み方は、ロの字、日の字、目の字、田の字などがありますが、ノッチの数は順に4個、6個、8個、9個となります。ロの字とそれ以外では1.5倍以上のノッチ数差になります。

某B社の展示場で実際に家の中に入ると、家の中にも壁はありますが後から足した造作壁。ログ壁ではないのです。ログ壁は耐力壁とも言い、それ自身が家を支える役目もあります。目の前の壁は耐力壁なのか、造作壁なのか、という目線でもログハウスを見てみるとよいでしょう。

また、建物内部にログ壁がないということは、アーチカットが作れないという事です。アーチカットはログハウスならではの物で、見た目的な満足だけでなく、丸太の木口が露出することによるメリットが多々あります。これは過去ブログ"緊急事態!?"で触れたとおりです。

さらに、ログ材自体も長い物は途中で継いでいます。短いログ材を繋げて長くしている。理由は分かりませんが・・・

木は乾燥によって縦方向にも縮みます。セトリングは木の乾燥に伴い丸太の直径が痩せることで起こりますが(厳密に言うと重さで潰れることも影響ありますが)、長さも短くなるのです。直径が痩せるのに比べて長さが短くなるのは微々たるものですが、それでも頭の片隅には置いといた方がいいでしょう。

ノッチで固定されたログ材が縮んだら・・・連結部分が離れてしまうのではないか、という懸念があります。今は接着剤も強いものがあるので離れないかもしれませんが、木には無理をさせています。またその接着剤は何十年ももつのでしょうか?

さらにさらに、年数が経った展示場のマシンカットログハウスを見ると、ログ材の暴れが激しいです。要するに経年変化でログ材がねじれて隙間が出来ている。他社のマシンカットではここまでのねじれは見られません。長い材なら多少のねじれも大きく影響しますが、継いでいるのでねじれも少ないハズです。逆に考えると、継いでいるのでこのくらいのねじれで済んでいる?のかもしれません。このねじれが継いでいる左右で逆方向になれば、それも接着部分に負担をかけることになります。

従って、私としては某B社は建築会社ではなく"ライフスタイル提案会社"だと思っています。こんな楽しい暮らし方・お洒落なインテリアもあるよ、と。(これはこれでおおいに参考になりましたが。)それに建築自体は下請け会社に丸投げだし。どの会社に頼むかも大切ですが、最終的には建てる大工さん・ログビルダーが誰か、が大切になります。

 

 

やはり脱線してしまいましたが、話を戻すと、某B社のログハウス展示場があったおかげで、ログハウスに対する知識が増えていきました。

と同時に、他のログハウスメーカーはどうなの?と、さらなる知識欲が顔を覗かせることになりました。

そこでメーカー調べが始まりました。

主に夢丸からの情報(バックナンバー含む)、ネット検索で中部圏・関東圏に絞り込み、資料請求しました。ここで音信不通が結構あり、それが夢丸のバックナンバーには載っているけど、定期購読で送られて来る新しいものには載ってない会社であることが分かりました。よって、これから調べる方は昔のバックナンバーは切り捨てましょう。その方が時間の無駄になりません。

そのなかで唯一、バックナンバーに載っていて最近のものには出てこなくて、今もやっていた会社が三重県松阪市K社でした。私にとって変な存在に映りましたが、今考えると広告費を払うのを辞めたのですね。

資料請求によって、私のメーカーリストは数社しか無くなりました。消えた会社はもう事業継続していない・・・ログハウス業界の厳しさに直面しました。

資料請求後に連絡してお世話になったのが、名古屋市Y社でした。こちらは妻が昔、実家の近くであった完成見学会に行ったことがあり、縁がありました。岐阜県にある拠点がハンドカットフルログで、担当者の方の自宅兼事務所になっているので、その方に随分とお世話になりました。ハンドカットフルログの建築実例を見せていただき、住まわれているオーナーさんの話も聞けました。その後お気に入りとなる、岐阜県御嵩町のハンドカットフルログのパン屋、風見鶏も紹介していただきました。この建物は、風見鶏のある場所に生えていたヒノキを一部使っています。

その土地に生えていた木を刈って、ハンドカットフルログに使うことができる。ワクワクしてきました。

ただし、こちらの会社は最近のハンドカットフルログ建築が少なくなっていました。また、その当時国内加工で頼んだら経験の浅いログビルダーの方になりそうだったので辞めました。

Y社にお世話になった後半くらいから並行して建築実例を見させてもらっていたのが、三重県松阪市K社でした。

初めて見学させてもらった日は、事務所のハンドカットフルログ、ヒノキマシンカットのモデルハウス、ポストアンドビームの社長宅?を見学。その後事務所横にある加工場へ。自社加工、国内加工に魅力を感じました。ウエスタンレッドシーダーの木片もいただきました。後日、突然K社から丸太の輪切りになった木片が2個届きました。ウエスタンレッドシーダーとヒノキで、とてもいい香りです。併せて木片3個、今でも子供たちの椅子として使っています。

 

 

ヒノキのハンドカットフルログを国内加工で。

 

私のログハウスプランが出来てきました。

長くなってきたので、その⑤に続きます。

メーカー選び③

f:id:HAKUGIN:20200108172725j:image

画像は白馬八方尾根の北尾根高原にあるツリーデッキです。

ログハウスに螺旋階段、ウッドデッキの組み合わせもいいですよね?

 

では本題、私がC社に決めた理由、考えたことなどを書きたいと思います。

メーカー選び その②にも書きましたがログハウスを扱っている会社は今でも結構あるものです。

また、現在建築されるログハウスのほとんどはマシンカットですから、マシンカットで検討されている場合は他にもたくさんのメーカーから選ぶ事ができます。

ただし・・・

ハンドカットを建てる場合、ハンドカットは対応可能としている会社でも、今までの建築棟数が少なかったり、取り扱い年数が短かったり、取り扱い年数が長くても継続して建築していなかったりすると、注意が必要です。(私が依頼した会社の方に話を聞いていると、あのメーカーのこんな裏話が・・・ということもありますので、会社としての経験、事業継続、ログハウスに精通した人材確保という意味でも、上記のことはよく調べてから決めて下さい。)

また、その会社に依頼するとしても、最終的に建築するのは大工さん(ログビルダー)なので、その人の経験値・継続してハンドカットを建てているかが大切です。私は技術というものは定期的に使わないと衰えるものと考えます。その点では、ログビルダーの方に直接建築を依頼するのが一番安心です。

ちなみに私は、どのメーカーにするか決める際には、担当者だけでなくログビルダーの方にも会わせてもらいました。

 

 

マシンカットではメーカーを検討したことがないのでなんとも言えませんが、ハンドカットと共通してメーカーによって大きく違うと思うのは、

①建築地がメーカー建築対応範囲内か

②ログ材を自社で加工できるかどうか

③そのメーカーの得意・不得意

④会社・担当者との相性

です。

①については、建築地とメーカー所在地の距離が近いほうがその土地の気候に熟知しているので、よい提案をしてもらえます。これはログハウスに長く住むことを考えるととても大切です。私もハンドカットフルログで無塗装にするに当たって、周りの環境への対応が大切だと思いました。かのアラン・マッキー著で日本語訳されている"エコロジカル・ログビルディング"にも出てくるフレーズですが、"私達はその家に住むのではない。その土地に住むのだ。家は私達が長くその場にとどまるための手段でしかない。"  (原文そのままではない。私の意訳。)という事です。

その家に住む、という考えしかないと、自分の希望や最新技術だけを追い、20〜30年でリフォームまたは建て替えが必要な家がほとんど、という現状になります。最近の住宅を見ると、これは大きな家電製品だ、と思えますね。オール電化しかり、IoTとの連動しかり。

その土地のことをよく知り、それに合わせた家にする。

そのためには、その土地のことをよく知っている地元の人に頼み、対策をいろいろと施す技量が伴っていなければならないと思うのです。自然素材をふんだんに使って建てるログハウスであれば尚更です。

また、近いほうが建築費用も抑えられるかと思います。そして、建築後のアフターフォローにも有利です。

また②については、それによって選べる樹種・使える木材が変わりますので、特に下記の方には重要な項目です。

・ご自身で調べて、またはこだわりがあって樹種が決まっている方

・山を持っている、または木の手配は自分でできる方

・原野、または木が生えている状態で土地を購入して、刈った木を使ってログハウスを建てたい方

などは、自社加工できるメーカーでないと対応出来ないかと思います。

私も最初は国産材ヒノキ、またはヒバで考えていたので、国内加工メーカーに絞っていました。2015年頃の話ですが、林業がすたれ、木材価格の下落でスギよりもヒノキの方が安い場合もあるくらいでした。スギは一般的に流通量が多く良材が安く手に入るかと思いきや、全国各地にある良材のスギ、いわゆるブランドスギは価格下落に対抗して、価格を上昇させていました。それには刈る前の手入れの徹底、刈る時期の選別(新月伐採)、刈った後そのまま山に置いたまま乾燥(葉枯らし乾燥)させてから出荷する、などの努力があります。農産物でも贈答用などは高いのと同じことです。

また、青森ヒバは官材となっていて、ようするに皇室向けに山ごと管理されていてほぼ出回らない、ということも分かりました。特にログハウスに使うような12m材は確保できない、と。

③については、④も共通する所もありますが、担当者の好みや責任感・アフターフォローへの態度による所も大きいです。ログハウスを扱う会社の方々なので、おおむね皆さん木が好きで、お客さんの為に良い家を建ててあげたい、という気持ちで働かれています。しかし、専門的なことになるので、例えば樹種の選定ひとつ取っても、五感的に色艶、香りの良さなどを理由にレッドシーダーを薦められる場合もあれば、加工のしやすさでダグラスファー、という場合もありました。また、安全策を取るという意味で改善を重ねられ、そのメーカー独特の得意・不得意があります。

 

私の場合はこれらのことを考慮しながら、メーカー選びを進めていきました。

次のブログでは、メーカー決定までの時系列での出来事、その時考えたことなどを書きます。

メーカー選び②

f:id:HAKUGIN:20200107124854j:image

画像は上高地帝国ホテルです。

インペリアルホテルでありながらログハウスと同じ工法で作られています!

山登りが好きですが、一日中歩き通して疲れた時、見える山小屋の人工的な赤い屋根はとても安心感を与えてくれます。自然の中に好んで入って行っても、寝床は落ち着く所がいいんですよね。

 

 

では続きです。

それでは、私がわかる範囲内でログハウス建築会社について書いていきます。

(このブログを書いている時点でまだやっていると思われる会社で、私が検討した関東・中部地方に限ります。具体的な会社名は伏せて所在地とアルファベットで頭文字のみの表記とします。ハンドカットのフルログ建築を前提に、マシンカット建築は考慮せず。)

 

①長野県軽井沢C社(私が依頼した会社)

全国どこでも施工可能。ほぼハンドカットのみ、フルログもポストアンドビームも。依頼があればマシンカットも。加工は原則カナダ。国産材を国内加工も可能。ログ材はウエスタンレッドシーダーを薦められるが、選ぶこともできる。建築実例は超個性的。夢丸常連。

こちらは今後もいろいろと触れていくことになるかと思います。

 

②長野県長和町M社

施工範囲は長野県内と、その近隣も可能と思われます。ハンドカット、マシンカットなんでも。国内加工。ログ材は国産材のスギ、ヒノキがお薦め、海外材も可能と思われます。完成見学会をよくやってます。夢丸常連。

 

三重県松阪市K社

全国どこでも施工可能。ハンドカット、マシンカットいずれも可。ログ材は海外材、国産材どちらも可。全て国内加工で、意外とハンドカットの経験豊富。ただし建築実例は似たような物が多い。夢丸にはほぼ出てこない。毎日更新のブログは私は毎日見てます。私の第二候補でした。

 

④愛知県名古屋市Y社

施工範囲は中部圏。拠点が数ヶ所あり、フルログなら岐阜県の担当者がお薦め。ハンドカット、マシンカット、それ以外の工法も可。ログ材は外材、国産材なんでも。加工はハンドカットは原則海外。愛知県や岐阜県ではかなり人気がある会社です。過去の建築実績は十分ですがハンドカット建築の継続に疑問あり。夢丸常連。

 

⑤埼玉県N建設

ハンドカット、マシンカット、それ以外(カントリーハウスと名付けて展開している在来工法なども)。ログ材はハンドカットは外材ダグラスファーが主、マシンカットはT社というログハウス建築会社経由でフィンランドパインが主。たまにハンドカットのフルログを建ててますが、経験値は疑問。毎回更新のブログは私は毎日見てますが、他社に辛口で、言ってることがほぼ自社の自慢ばかりです。綺麗でお洒落なログハウスがいいならこちらで決まり。奥様受けは良さそう。キッチンや洗面台の自社施工は結構いいかも?夢丸常連。

 

⑥長野県長野市M社、⑦長野県信濃町L社、⑧長野県飯綱町T製材所

三社まとめてになりますが長野県北信地方にあり、近隣での建築がほとんどの会社です。詳細は不明ですがログ材は国産材が主。夢丸にたまに載るのですが、建築実績は少なさそう。北信地方の方は考慮してもいいかも。

 

山梨県北杜市A社

長野県と争う人気移住候補地で別荘も多い北杜市にあり、八ヶ岳エリアで建てたいなら候補となる会社。詳細は不明ですが、夢丸にたまに載る。

 

富山県Y製材所

ログハウスについては原則海外加工。最近白馬で外国人向けにポストアンドビームのごっつい別荘を建てて依頼、白馬でその後数軒建てている様子。ログハウス業界参入はまだ年数浅く実績不十分、ログハウスの知識も怪しいです。(ログハウスのカビの処理はどうしたらいいか教えて下さいと、私が依頼したC社に聞いてきたそうです。)

 

といったところでしょうか。

 

 

では、次回のブログで私がC社に決めた経緯、理由などを書きたいと思います。

 

 

メーカー選び①

f:id:HAKUGIN:20200106060457j:image

画像はスキー場で見かけたリフト小屋です。

いい感じで年月を重ねていますね。フルログ部分と柱部分があり、フルログとポストアンドビームの混構造に一つの屋根がかかっています。私のマイホームもこの混構造なのですが、フルログ部分はセトリング(木が乾燥して壁の高さが下がる)があり柱部分はセトリングがなく、放置すれば屋根が傾きます。その対応は構造的に工夫がいりますが、この建物はどうしているのか気になりますね。

 

 

では本題へ

一般的にマイホームを建築するには、建てる土地があり、メーカーまたは建築会社が決まり、お金を工面する必要があります。

そこで今回はメーカー選びについてです。(土地購入、セルフビルド、銀行ローンについては、また別ブログに書きたいと思います。)

 

現在、ログハウスを建築できる会社はどれだけあるのでしょうか?

ログハウス専門誌夢丸が出ていた頃はログハウスメーカーの情報も得られやすかったのですが、もう今は発行されていませんので初期段階としてはネット検索が全てでしょう。

ちなみに私がよくやっていた、街中で見かけたログハウスに突撃訪問は、おおむねオーナー様はウェルカムな雰囲気でいろいろな話を聞かせていただきましたが、建てたログハウスメーカーは今はもう無いんだよね・・・ということもしばしばでした。バブルの頃は何百という会社がログハウスを取り扱いしていたそうです。逆に考えると、バブル崩壊から久しい今もログハウスを扱っている会社はその後の社会淘汰を生き残った、歴史と信頼のある会社かもしれません。

 

また夢丸のバックナンバーを見ても、まだやっている会社がおおむね分かるかもしれません。ただし、私も一度メーカー所在地まで話を聞きに行った北軽井沢の某N社も事業を辞めてしまったり、情報はどんどん古くなっていきます。また、夢丸に載っているログハウスメーカーが全てではありません。当然メーカーが雑誌に載るには広告料を払っている訳で・・・広告料を払って新規顧客獲得をするか(前者)、広告料を払わずにその分顧客に還元するか(後者)、ログハウスメーカーにとって方針が異なります。後者の方が我々一般人にとっては好印象なのですが、過去5年ほど夢丸を定期購読した身からすると、毎回載っている会社もあり、そういう会社はある意味経営が上手くいっていて長く続いている訳で・・・

どちらを選ぶかは建てる人次第です。

 

また後者については、単純に広告が下手、または眼中にないということもあります。それには地域差もあるように思います。

少し話がそれますが、都市部から山間部に移住した身としては、ビジネス感覚・人付き合い感覚の違いを感じます。いわゆる田舎の人は人の縁で生きています。仕事も必要なことだからやっていて、知り合いから紹介されて発生するのです。また、そのやり方で生き残れているので、ある意味その地域での業界独占状態で他社との競合ということがありません。はじめて行く場所では、おおむね住む場所の町内会名(私が住む地域では町内会ではなく区や、隣組と呼ぶ、昔の部落単位くらいの範囲か?)や、勤め先、誰かの紹介かなどを聞かれます。これらを答えて何か繋がりがあれば安心するのか、人々はかなり心を開いてくれます。ビジネス上で出会った人でも、一見様では愛想もありません。また、都市部から来た人は都市部のお店の接客を期待しないほうがいいでしょう。自分が客として店に入っても店員さんは挨拶なし、知り合いと延々と話し続けている、といった具合です。

このことは、都市部にお住まいで田舎に縁がない方は頭に入れておくと、建築を進めていく上で精神的なムラが少なくなるでしょう。

前者はおおむね都市部の人、地元の人にも対応可能かと思います。後者は地元の工務店・木材関連業者で、依頼があればやるよ的な地域密着型ともいえます。

 

脱線癖が悪くて申し訳ありませんが、話を戻して・・・

と思ったのですが、長くなりましたので次のブログにします。